日本最大級のPLANT BASED専門のフェスティバル「東京ビーガングルメ祭り2023春」が4月16日、東京臨海広域防災公園(東京都江東区有明有明3丁目8−35)にて開催されました。今回は、こちらのイベントを主催されている株式会社veg works(ベグワークス)代表・吉田光佳(よしだ みつよし)さんにインタビュー!食物アレルギーを持つ方々にとっても、必見の内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みくださいね♡
※本記事では、Veganの日本語表記を「ビーガン」に統一しております。
きっかけは「自身の体調不良」→ベジタリアンとの出会い
「元々、会社員として働いていましたが、ストレスのせいで、体調を崩しがちだったんです。もう20年以上前のことですね(笑)」と語る吉田さん。食事を変えることによっての体調を改善できることに気づいたことから、『食事の力の重要性』を実感。徐々に改善していった結果、ベジタリアンに近い形に行き着いたのだそう。
ビーガングルメ祭りを開催に至るまで
吉田さんは名古屋のご出身とのこと。当時、ビーガンフェスというものは名古屋には無く、東京と京都のみでの開催。名古屋での勉強を経て、当時mixiで仲間を集い2011年に名古屋で初開催に至ったのだとか。『マクロビオティックブーム』とも重なり、予想以上の大盛況となったそうです!…しかし、京都の主催者が続けられなくなってしまったことから主催担当を交代することに。こんなきっかけがあり現在は毎年、「ビーガングルメ祭り」を名古屋・京都・東京の3都市で開催することになったそうです。
※コロナウイルス感染拡大中のみ、お休み(オンライン開催)にしていました。
大変だったこと、苦労したこと
「当初は会社員も続けながらの主催だった為、本当に大変でした。ある日ふと、「自分が主導しながら仕事をする方が自分の性格に合っているかも…。」と思ったのをきっかけに、脱サラ。ビーガングルメ祭りの運営に集中することにしました。」と吉田さん。大変だったことよりも楽しかったことや、嬉しかったことの方が多かったと笑顔で語っていらっしゃいました。
「主催者としてさまざまな出展者さん、来場者さんと繋がることができるのは本当に嬉しいことです。1人でビジネスをしている中、こんなに多くの方に喜びを届けることはなかなかできないのではないかな、と思うんです」「続けていくことは大変なことですが、一緒に協力してくださる多くの方々がいらっしゃるから、今日まで続けて来られたかな、と思っています」とのことでした。
「アレルギーのことも勉強しました」
ビーガンの広がりにより、卵・乳・肉類のアレルギーを持つアレっ子にとって、食の選択肢が大きく広がりました。このことに関しても吉田さんに伺ってみました。
「最近、アレルギーに悩む方が増えているんだな…ということをビーガンの取り組みを通じて感じるようになりました。ですが、自分の周りにはアレルギー体質の方がいままで、ほとんどいらっしゃらなかったので、当初はアレルギーに関する知識が全くありませんでした。だから、質問されても答えられなかったのです。」
でも、わからないことをわからないままにせず、行動を起こされたのだそう。「アレルギーについて勉強しようと思いました。そこで(地元・名古屋で開講されていた)『アレルギー大学』にいくことに。2年間しっかり通い、卒業もしました。『アレルギー大学』で学んだことで、”アレルギーはそもそも何なのか”や”コンタミネーションの危険性””緊急時のエピペン使用”など、アレルギー体質の方の生命線となる知識を身につけることができました。」
生死に関わる「アレルゲン」。だからこそ、もっと確認しやすくすべきと知った。
また、学びを得る中で『アレルゲンが目に見えること』の大切さも感じたそう。「当初は原材料表記はしていなかったんです。でも、アレっ子さんにとって原材料を正しく認識できることがまず大事だと知りましたし、出展者側も”質問されたら答えられるようにしておいたほうがいい”と思うようになりました。そこで「ビーガングルメ祭り」ではまず、より安心を感じていただくため、原材料表記の改善や事前の確認(ポップ掲示の必須化。用意がない場合は当日書いていただく。詳しくは次項にて。)に力を入れることにしました。」
ですが、ビーガン商品をご利用いただくにあたっては、やはりご注意いただきたいところもあるとのこと。「ビーガン商品は動物性原材料は使用していませんが(製造過程で動物性を扱うラインと完全に分けられていないこともあるため)コンタミネーションまでは対応が難しい点があります。また、”原材料の原材料”の部分についても、対応の厳しさを感じてはいます。
そもそも、一つの商品を作る際、様々な仕入れ先から原材料を仕入れて作られていることが多いです。また、その仕入れた原材料も、別の製造会社から卸していることもあります。このように、原材料と言われるものは何層にもわたるので食品流通の中では”第○次原料”と呼び、どの段階での原材料のことを指しているのかがわかるようになっています。
「ビーガングルメ祭り」で販売されている商品は第2次原料まではカバーできているよう、対応を努めています。ビーガン商品がアレルギーに完全に対応しているわけではありませんが、アレっ子さんにも優しい「ビーガングルメ祭り」になるようにしていきたいとは思っています。」と仰られていました。
ビーガングルメ祭りでの安全・安心への取り組み
吉田さんがビーガングルメ祭りの開催を続けていらっしゃるのは「純粋に”ビーガン””ベジタリアン”という食の選択を日本に広めたい」という想いが理由の一つにあるそうです。また、「ビーガングルメ祭り」を開催することで、少しでも貢献できていると実感できているのは「とても幸せ」だとも毎度感じているとのことでした。しかし、その一方で、ご来場いただける方にはより安全・安心な食体験をしていただきたいと考えていらっしゃるそうで、ビーガングルメ祭りでは開場準備の一貫で必ず「原材料チェック」を行なっているのだとか。
▷Allecolle編集部より補足
(Allecolle編集部員に、以前veg Worksが主催するイベントでのボランティアに参加し「原材料チェック」を実際に担当したことがある者がおります。その際の対応内容をご案内します。)
「原材料チェック」は複数人で行います。(イベントの規模によっては複数班に別れて作業をすることもあります。)出展者一覧&販売商品一覧が記載された資料を見ながら各ブースをまわり、一つ一つの商品の裏面を見て”動物性原材料が入っていないか”を目視で確認します。不明点については「ハラル認証」や「ビーガン認証」マークを参考にしたり、ブースの担当者に直接確認を取るなどをして、確実にビーガン(物によってはベジタリアン)商品であることを確認しております。
Allecolle読者さまへ!
今年も全国で複数回開催予定です。ぜひ足をお運びいただき、ビーガン食の世界を楽しんでいただけたら嬉しいです!
(今は季節ごとの開催ですが、将来的には月1回くらいのペースでの開催を目指しているそうです♪)
■2023年度の開催予定
※4月16日(東京※本記事でレポ)、5月3日(名古屋)は終了しております。
※予定は変更される場合があります。最新情報はビーガングルメ祭り公式HPにてご確認くださいませ。
当日の会場の様子♪
今回はAllecolle編集部が会場に集結!食物アレルギーがある方でも召し上がれる商品を大調査。なかでもおすすめのお店をダイジェストでご紹介します♪
※商品によりアレルゲンが異なるため、詳しくは各商品・店舗の公式HPをご覧いただくか、製造・販売会社にお問い合わせくださいませ。
■自由が丘 T’s レストラン TOKYO VEGAN RESTAURANT
おいしくて体が喜ぶレストラン ドリア、ハンバーグ、ヌードル、スイーツ…。一見普通の洋食ですが、肉・魚介類・乳製品・卵を一切使用していません。 野菜中心の人も、そうでない人も食事制限中の人も、みんな楽しく一つの食卓を囲めるレストランです。
引用:T’sレストラン公式Twitterより
▷Allecolle編集部コメント
自由が丘に本店を構え、東京駅構内にも展開しているビーガンレストラン。4月1日より「T’sたんたん」の成田空港ターミナル1の店舗が営業再開しているとのこと。3種類販売されている「VEGAN NOODLES」はビーガンだけでなくアレっ子にも馴染み深い商品なのでは。そのほか、野菜だし・中華だし・ホワイトソースなど豊富な商品を取り扱っています。
■V-cook(ブイクック)
ブイクックは、ビーガン料理に特化したレシピ投稿サービスです。“ビーガンの食卓を豊かにする” をミッションに掲げ、ビーガン料理の美味しさ・幅の広さ・食卓の笑顔の3つの豊かを実現することを目指しています。
引用:https://vcook.jp/about
▷Allecolle編集部コメント
代表・工藤柊(しゅう)氏が大学生の頃に設立したNPO法人が前身。レシピ投稿サービス「V-cook」の運営のほか、オンライン&イベント出店などで展開している「V-cook Super(ブイクックスーパー)」や今年再提供を開始した宅配冷凍弁当サービス「ブイクックデリ」など、日常に取り入れやすいビーガン食生活を提案しています。
■株式会社 染野屋
江戸時代文久二年に、香取半次郎が茨城県取手市に創業した豆腐屋が起源。現在は国産大豆・天然にがりの無添加のこだわり豆腐を、120台の移動販売車にて直接届けている会社。また、8年の歳月をかけて完成させた100%植物性のお肉「SoMeat/ソミート」がビーガンとしては看板商品。動物性原料不使用
一部引用:SoMeat公式HP
保存料/着色料/合成添加物不使用※一部を除く。
▷Allecolle編集部コメント
SoMeatはビーガンミート界では古株で、大豆臭さを感じず柔らかい歯応えが特徴の商品。また今回のビーガングルメ祭りでは定番商品のほかに「ソミートキーマカレー」「ソミート炙りカレー」が販売されており、ソミート炙りカレーにはソミートも入っているので”大豆ミートをカレーの準備とは別で戻さなければならない”煩わしさを解消してくれますよ。
■平和食品工業株式会社
昭和22年に法人として設立。以来かぎりない自然の恵みを味覚の追求に生かし、「おいしさ」をひたすら追求されている会社。昭和6年に「金鶏(キンケイ)」というブランドの家庭用カレーを小石川で製造・販売。以来、業務用のカレーとラーメンスープを2本の柱として、日本全国のレストランやラーメン店でプロの味づくりをお手伝い。
出典:平和食品工業株式会社公式HP
▷Allecolle編集部コメント
長年の専門知識を活かしたビーガンカレー「VG SPICY CURRY」「VG SPICY KEEMA」は、一口試食だけでもビーガンとは思えない”群抜きの美味しさ”で驚きました。米粉ビーフンや米粉パンとも相性が良く、アレっ子の食卓に常備しておいても良いのでは?と思える商品でした。
■日本フードサイエンス株式会社
わさび、ホースラディッシュ、マスタード、生姜・にんにくなどのほか、有機JAS認証を得ている健康食品素材 大麦若葉・モリンガ・ゴツコラ・月桃、プラントベースミート (タイ国let‘s plant meat社製)の販売を行なっている会社。
▷Allecolle編集部コメント
ビーガングルメ祭りではプラントミート3種の試食を行なっておりAllecolle編集部員も体験。タイの伝統的な豚肉発酵食品をビーガンで再現。発酵することで出てくる爽やかな酸味が表現されており、脂っこさを感じずにいただける新感覚のビーガンミートでした。
■Brown Rice Cafe(ブラウンライスカフェ、株式会社こたつ)
独自の炭窯焙煎製法で「オーガニック焙煎玄米」を製造している会社。「オーガニック焙煎玄米」には体内の不純物を排出する多孔質構造により、腸内環境を整えて免疫力を高める働きがあり、コーヒーのように香り高く、チョコレートのような芳醇な味わいが特長の「機能性を備えた自然食品」です。
引用:BrownRiceCafe公式Instagramより
▷Allecolle編集部コメント
「オーガニック焙煎玄米シロップミックス」には、好みの植物性ミルクを入れて混ぜるだけで簡単にミルクコーヒーが作れてしまう便利商品。豆乳、オーツミルクはもちろんですが、Allecolle編集部員のおすすめは「ライスミルク」「玄米ミルク」で作ること!原料がお米同士になるため相性抜群◎軽い飲み口でほのかに甘く、ミルクコーヒー・ラテが苦手な方でも飲みやすくなりますよ。
■KARMA BITES(カルマバイツ、KARMA合同会社)
「自然派のあなたがキッチンに置かないようなものは使わない」「美味しさに妥協することなく、体にうれしいものを」という創設者のモットーを大事にしている会社。かつておばあちゃんがよく作ってくれたという「ポップロータス」を、高品質な原料を使って再現・製品化した「Karma Bites」を販売。
引用:Karma Bitesプレスリリースより(@PRESS)
▷Allecolle編集部コメント
素材が持つ栄養価を損なわないよう低温調理にこだわるだけでなく、スーパーフードの一つ「ロータスーシード」を主原料としているのが特徴。(古来よりアーユルヴェーダや中医学で重宝されてきたハスの実のこと。ミネラル・カリウム・ビタミンB1・食物繊維といった栄養素を含み、中医学では自律神経の安定に効果的とも言われているそう。)フレーバーは「キャラメル」「ヒマラヤピンクソルト」「ペリペリ(唐辛子が入ったスパイスミックス)」の3種。ビーガン・グルテンフリー・低カロリー・オリーブオイル&ココナッツオイル使用・精製糖&人工成分&遺伝子組み換え不使用というヘルシースナックで幅広い世代におすすめです。
■LUNA BURGER(ルナバーガー)
コンセプトに「SMRAT JUNK」を掲げる100%植物由来のハンバーガー専門店。フードトラックで各地に出店している。2023年5月21日に鎌倉・長谷(ハセ)で実店舗オープン。
引用:LUNA BURGER公式Instagramより
▷Allecolle編集部コメント
ビーガンバーガー界隈では超メジャーと言っても過言ではないほど熱い人気と信頼を集めるフードトラックバーガー店。看板商品の「LUNA BURGER」は100%植物性のパテとトマト&玉ねぎを、トマトソース&オーロラソース&ソイタルタルの味付けに自家製のバンズに挟み込んである一品。一度食べればその美味しさの虜になること間違いなし!
会場ではこんな試飲キャンペーンも♪
今回のイベントでは、市販コーヒー飲料ブランドの一つ「マウントレーニア」(販売:森永乳業株式会社)より今年新発売された「マウントレーニア プラントベースド オーツラテ」の無料配布がされていました。昨今、豆乳・大豆アレルギーの存在も顕在化されてきており、「豆乳以外」の選択肢の拡大が求められている中の発売…!しかも特定原材料28種類等も不使用◎Allecolle編集部員も試飲しました♪
マウントレーニアの甘いコーヒー同様、甘さを感じる味わい。オーツミルクの風味も感じられますが、オーツ麦から絞ったオーツミルクとは違い、軽さがありました。食物繊維も含まれているので、日頃の食生活が偏りがちな方にも良いかも?という印象でした。
※食物繊維は「難消化性デキストリン」のため、体質によってはお腹がゆるくなりすぎることがあります。お腹が弱い方、難消化性デキストリン添加食品にて体調を崩されたことがある方はご注意くださいませ。
いかがでしたか?
今回も盛りだくさんの内容をお届けしましたがいかがでしたか?一部ではありますが、アレルゲンを含まないビーガン食品はたくさんありますが、どれを選べばいいか悩んでしまうなら「ビーガングルメ祭り」に参加して販売者の方と直接お話ししてみて、納得できる商品を探してみてもいいかも。2023年度はまだ複数回開催される予定なので、スケジュールと相談しながらぜひ参加してみてくださいね♡