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冷食で食物アレルギーに配慮した商品のトップランナーに。「味の素冷凍食品(株)」の社を挙げた挑戦とは

by Allecolle編集部

有名芸能人の方々がおいしそうな顔でアツアツの料理を頬張るCMが印象的な「味の素冷凍食品株式会社(以下、味の素冷凍食品)」。卵・乳・小麦を使わない商品開発を意欲的にされ、私たちアレルギーっ子の食卓を大いに助けてくださっている企業の一つとしてお馴染みですよね☆今回はアレルギー商品への改良・新規開発の裏側を、味の素冷凍食品本社にて開発担当者さまにインタビューしてきました!会社全体で、取り組みへの意思統一を行いながら、製造に関わるすべての方々の”細やかで熱い思いやり”を感じる内容でした。ぜひ最後までお読みくださいね。

きっかけは「お客様相談室に寄せられた”多数のお問い合わせ”」

by PIXTA

1997年の発売以降人気商品である「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」は、2020年においしさはそのままに、「小麦・卵・乳」不使用の食物アレルギーに配慮した商品に生まれ変わりました。

開発のきっかけは、食物アレルギーに関するお問い合わせが年々増加しており、特に「やわらか若鶏のから揚げ ボリュームパック」のパッケージの原材料表記に記載されている「小麦」は、醤油に由来しているものかという質問が多かったです。から揚げ自体にはもともと小麦を使用していなかったのですが、原材料・アレルゲン表記に「小麦」と掲載していたので、これは一体何を指しているのかという質問が多く寄せられました。

たしかに、パッケージの表記だけでは「どこに何が入っていて」「何が入っていなくて」という詳細は、スペースの都合上盛り込みきれず…。それでも商品に可能性や希望を感じて、お問合せをいただくお客様のことを考えた時に『親切ではないな…』と感じました。また、こんなに同様のお問い合わせをいただくなら、「やわらか若鶏のから揚げ ボリュームパック」を小麦不使用の商品に進化させたら、もっと多くのお客様に喜んでいただけるのでは?と考え、開発に着手しました。

お客様への調査を通じて痛感した”必要性”

by PIXTA

商品開発のために改めて調査をしてみると、食物アレルギーを持つお子さまの親御様方の悩みがよりわかるようになりました。皆さんは、子供たちに合わせた食事の準備や、同じものを食べさせられないことに対して申し訳ない気持ちを抱くとともに、食物アレルギーに配慮した商品を探し求めていらっしゃるけれども、なかなか出会えない状況に悩み、日々手作りの食事を頑張って提供されている姿を知ることができました。切実な食物アレルギーのニーズを実感し、我が社も早急に取り組む必要があると痛感しました。

懸命に訴えた想いと、得られた社内協力体制

by PIXTA

開発の過程は一筋縄でいくものでは決してなく、多くの困難がありました。特に企画段階では、人気商品を食物アレルギーに配慮した商品にすることの意義を社内のメンバーに理解してもらい、一緒に取り組むことが難しかったです。当時、「やわらか若鶏のから揚げ ボリュームパック」の品質は高く評価いただいていましたが、『食物アレルギー配慮』をすることによって今まで通りのおいしさを担保できるのかという懸念やリスクを心配する意見もありました。ですが、時間をかけて説明と説得をしながら真剣に向き合い、食物アレルギーに配慮した商品にすることで、より多くの方に永く愛していただける商品にするために協力体制を築き、最終的にはプロジェクトチームを立ち上げ、進めることができました。

やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」リニューアルの裏側

開発において「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」の重要要素である醤油に小麦を使わない方法を探ることが品質上の課題でした。既存の醤油メーカーの商品では最適な品質のものが無く、醤油メーカーさんと共同開発を行い、約2年の歳月と約100回の試作を経て、小麦を使用しないお米から作る独自の醤油を開発することに成功しました。それだけでもかなりの苦労がありました。

▶️参考記事:INTERVIEW|家族みんなでおいしい食卓を囲めるように。アレルギーっ子ママの日常を変える?「やわらか若鶏から揚げ」開発秘話

また、生産工場でも食物アレルギー不使用製品の製造に対応できるよう品質管理体制を整える必要がありました。工場ではこれまでそのような製品を製造したことがなかったため、新たな取り組みにどう対応していくかというフローを構築することにも神経を注ぎました。大変ではありましたが、部署間の垣根を越え皆が一丸となって取り組み、「発売」というゴールまで辿り着くことができました。

現在「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」のパッケージ表面では、大々的に「小麦・卵・乳」不使用であることは謳っていませんが、発売以降食物アレルギーをお持ちの方やそのご家族から、多くの反響をいただきました。これは売上には代えがたいものであり、開発チームのやりがいとなっています。

結果的にアレルギー対応商品を当事者の方や身近な量販店でお買い上げくださり、家事の手助けだけではなく量販店さまの売り上げにも貢献できる結果につながったと思います。これは売上には代えがたいものであり、開発チームのやりがいとなりました。

ここを知ってほしい!商品のポイント:品質、製法にこだわったからこそのおいしさ

提供:味の素冷凍食品株式会社

我々のモットーは、食物アレルギーに配慮しながらも「おいしさ」は妥協しないことです。「おいしさ」は非常に重要なポイントであり、食物アレルギーの有無にかかわらず、みんなが同じ食卓でおいしいと感じることが大前提と考えています。このため、おいしさには絶対に妥協はしません。

by Allecolle編集部

おいしさを実現するために「やわらか若鶏から揚げ」について味の素冷凍食品がこだわって行っているのは、一枚肉から作っている点です。冷凍から揚げは成型肉(ミンチ肉を組み合わせて成型)を使用して作る方法が主流ですが、味の素冷凍食品では一枚肉を大ぶりにカットし、手作業で衣付けし、揚げています。さらに生姜醤油でじっくり味を染みこませたあとに、丸大豆醤油を絡めたこだわりの二段仕込み製法で、香ばしくジューシーなから揚げに仕上げています。

家庭で毎日揚げ物をするのは大変な作業ですが、我々の工場ではご家庭と同じように手間と愛情をかけて製品をつくっています。

「小麦・卵・乳」不使用米粉でつくったギョーザ」開発の裏側

提供:味の素冷凍食品株式会社

既存商品のリニューアルではなく、完全に新しい商品として作ったアレルギー対応商品が「米粉でつくったギョーザ」。“味の素の冷食といえば餃子”というイメージが強い方も多いかと思いますが(ベストセラー商品に「ギョーザ」シリーズがあるのですが)、餃子は味の素冷凍食品の看板商品であり、最も人気のある商品の一つです。のギョーザについても、アレルギーに配慮した商品を開発したい思いがあり、取り組むこととなりました。しかし、やはりこの取り組みも容易ではありませんでした。

by Allecolle編集部

まず、餃子は小麦が主原料となるため、小麦を使用せずにおいしいギョーザを作ることは本当に可能なのか、最初は疑問視されました。そして特に苦労したのは、米粉を使って小麦粉のような弾力を持たせること。また、味の素冷凍食品の「ギョーザ」は水も油も使わずに焼けることもポイントとなっていますが、米粉では再現が難しいハードルがありました。しかし、開発チームは諦めずに試作を繰り返し、最終的にその高いハードルを超え実現に至りました。

ここを知ってほしい!商品のポイント:米粉だからこその特徴的な食感とおいしさ

「米粉でつくったギョーザ」は、通常の餃子とは異なる食感や味わいを楽しむことができます。特に、餃子の皮や羽の部分など食感に変化があり、これまでにない新たなおいしさを感じることができます。ジューシーでありつつも、脂っこさは控えめで、何個でもサクサクと食べられる特徴があります。

餃子において、お肉のジューシーさや野菜の食感などが重要な要素ですが、米粉を使用することでさらなる食感の変化が生まれています。「ギョーザ」とは一味違う、米粉ならではの食感とおいしさをぜひお楽しみください。

製造において不可欠な工場の管理体制

アレルギーに配慮した製品の製造には、対象アレルゲンをコンタミネーションしないための厳格な管理体制が求められます。しかし味の素冷凍食品はアレルギー商品製造専用の工場を持っているわけではないため、小麦や卵などのアレルギー物質を使用する他商品の成分混入を厳格に防ぐ必要があります。

そのため、製造ラインでは徹底的な洗浄が行われます。製品が生産される前に、混入を防ぐためにライン全体が徹底的に洗浄されます。この洗浄作業は手作業で行うため、時間と手間がかかりますが、アレルギー対応製品の品質を保つために欠かせない作業となっています。

※具体的な洗浄方法…お湯や洗浄液を使用してライン全体を洗浄。作業は機械だけに頼らず、人の手も活用され、徹底的な洗浄と細部までの注意が行われます。時間をかけ、また洗浄液にも気を配り、より細やかな洗浄を行なっています。

この管理体制は、日々現場で働いているスタッフに苦労していただいている部分です。大変な作業ではあるものの、製品の意義やアレルギー対応の重要性を徹底的に共有し、製品への取り組みをしっかりご理解いただいた上で対応しています。開発部門から工場まで、商品に関わる全ての人の努力によって、徹底管理された食物アレルギーに配慮した製品を製造しています。その苦労と努力があってこそ、安心して食べられる商品としてご提供できているのです。

食物アレルギーに配慮した商品への反響と更なる取り組み

by Allecolle編集部

「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」と「米粉でつくったギョーザ」に対して、お客様からは多くの反響をいただいています。特に小さなお子さんがいらっしゃるご家族からは喜びの声が多く、お弁当でも大活躍の「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」のリニューアルは大変喜んでいただけています。お電話やメールだけでなく、直筆のお手紙までいただいたこともあり、とても感動しております。このような声は、私たちにとっての励みとなっています。

*「米粉でつくったギョーザ」の販売店を見つける・新たに開拓していただく方法

味の素冷凍食品では店舗検索ができる取り扱い店舗マップを公式サイトで公開しており、「米粉でつくったギョーザ」の取り扱い店舗を探すことができます
※一部の取り扱い店舗のみ、マップに掲載しています。マップに掲載の店舗が全てではございませんので、改めてお近くの店舗のご案内をご希望の方は、味の素冷凍食品のお客様相談室までお問い合わせください。

最後に…Allecolleの読者の皆様に向けて

by Allecolle編集部

食物アレルギーがある方もない方も関係なく、みんなが「おいしい」を共有しながらワイワイと食卓を囲めるように、商品開発に取り組んでいます。また、冷凍食品業界のトップランナーとして、食物アレルギーに悩んでいらっしゃる皆さんの食卓をより良くする取り組みに先陣をきって挑戦していくのが我々の役割だと思っています。

一企業で業界自体を変えていくことはなかなか難しいですが、「味の素冷凍食品が取り組んでいて、結構支持されてるみたいだよ」となって、周りの企業さんも同じように食物アレルギーに配慮したものをどんどん出していってもらえると、より業界が豊かになるし、日々悩まれてる皆様の選択肢がさらに広がっていくので、日本全体の食卓にとって”すごくいいことなんだろうな”というふうに思っています。

編集後記:数少ないアレルギー対応食品市場を守るために。

by Allecolle編集部

いかがでしたか?今回は味の素冷凍食品本社にて開発担当者さまにインタビューした内容をお伝えしました。アレルギーっ子にとっての便利商品は、開発者の皆様がたくさんの苦難にあっても諦めず、強い想いで作り上げてくださったからこそ、今、私たちの食卓に届いている…私は今回のインタビューを経て、食物アレルギーに配慮した商品は奇跡のような商品で、小さな灯火のような商品でもあると感じました。この小さな灯火は、『ずっと食べ続けたい』という私たちの想い=燃料を提供し続けることで大きくなり、いずれ大きな炎となっていくことでしょう。

大きな炎を一つでも二つでも作っていけば、きっとアレルギー対応食品市場という、オリンピックの炎のように大きな炎を作ることもできるはず。食物アレルギー配慮食品の灯火を消さないために、皆さんの想いと共にご協力が必要不可欠。ぜひ一緒に市場を守り、盛り上げるお手伝いをしていただけたら嬉しく思っております。

◼️プチニュース

皆さんお馴染みのお弁当おかず「それゆけ!アンパンマンポテト」が先日、Twitterで爆発的に話題になり、トレンド入りしたそうです。投稿されたコメントには「小さい頃頃、私も食べていた!」「子供のお弁当を作りながら私もつまみ食いしています。親子2代で食べてます。」といったほのぼのする投稿もされ、大変嬉しく思われたとのことでした。

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