隅田川の支流・小名木川の流れから徒歩1分、森下駅と清澄白河駅のほぼ中間に位置する万年橋通りに佇む、みそスープ専門店『MISONOMI Cafe(ミソノミ カフェ)』。みそスープとは海外で「味噌汁」を指す呼び方。海外では外食やギフトとしても認識されている食べ物ですが、日本ではなかなか外食・ギフトの選択肢にはなりにくい…。そんな味噌汁のイメージをガラッと変え、新しい味噌汁の楽しみ方を提案するブランドが『MISONOMI』なんです。
今回は、『MISONOMI』をお店で体験できるコンセプトストア&直営店としてオープンした『MISONOMI Cafe』と、開発やブランドに対する思いをオーナー・坂野充学(さかの みつのり)氏にインタビュー内容をご紹介!様々な経験や知識、そしてクリエイターならではの”遊び心”をかけあわせて作り上げた『MISONOMI』の魅力に迫っていきます。
『MISONOMI』が生み出す”余裕のあるひととき”
絵の具のような彩りを演出するフリーズドライの具材と、まあるい形が可愛らしい味噌玉を、キャンバスに見立てた“真っ白な最中”のお皿に盛り付ける。あまりに美しいので、お椀ではなくてガラスのカップを使ってみるのがキモ。
オーナーが世界中の広大な景色やその土地ならではの色彩、春夏秋冬の季節が織りなす情景からインスピレーションを得て、最中のキャンバスの上に描き出したみそスープは全12種類。
スープの主役・味噌玉は、日本人に親しみの深い米みそや、素材と甘みにこだわりのある麦みそ、ヴィーガンの方でも楽しめる玄米みそを使用。主役を引き立てるのは、野菜ブイヨン・あごだし・のどぐろだしなどを使用した出汁と、食べやすいサイズの具材たち。
カップの中にみそスープの素をセッティングしたら、ゆっくりゆっくり、お湯をまわし入れます。お好みのお湯の量を注いだら、味噌玉と最中を少しずつ崩しながら、徐々に開きほどけていく具材をじっくり観察。
お湯を入れてから約1分で出来上がったスープは、自然界の旨みが詰まった”命の一杯”。「アートを食べる」とはまさにこのこと!まどろみの時間や疲れを感じた時の胃腸にぴったり◎優しさを体に取り込むようなひとときはまさに「至福」以外の言葉が見つからないです…。
スープだけじゃない!内装まで手作りの店内
みそスープのやわらかな世界観と調和するシンプルな店内デザイン。実はオーナー自身が手を動かして作り上げたのだとか。実はこちらのオーナー、金沢で古民家をリノベーションした一棟貸しの宿も運営している、室内空間も作れちゃうアーティスト・クリエイティブディレクターでもあるんです。
グレーを基調とした柔和な色合いに合わせるように、机や梁に木材とオフホワイトの配色が組み合わされているのが心地良い。ヨーロッパの街角を想起するような、丁寧な暮らしの理想形とも言える世界観が広がっていますよ。
みそスープの原点は、海外生活から。
イギリスでアートを学んでいた坂野氏は、東京でクリエイティブの仕事をする中で海外の方々とやりとりをすることも多かったそう。その中で感じたのは、人々が集う場での宗教と食文化が密接だということ。そのため、食の多様性は昔から寛容で、日本人が血液型を質問し合うようなテンションで宗教や食の選択について(ヴィーガン、ベジタリアン、ハラルなど)気軽に確認し合う、話しやすい環境があるのだとか。
また、20代後半〜30代になる頃には、友人たちがお酒やタバコから少しずつ離れ、健康的な生活で体をケアすることを自然にはじめるように…。そのため、気づけばベジタリアンやヴィーガンの食生活を選ぶようになった友人が増えてきたのだそうです。
健康的な食生活の中には、KOMBUCHA(コンブチャ、お茶をベースに発酵させた微炭酸飲料で腸活に良いと海外セレブの間で話題になり、現在はヨーロッパ圏だけでなく韓国でも人気のドリンク。なお、日本にも専門製造店が複数あります。)を導入したり、グルテンフリーをしたりなどの方法がありましたが、その選択肢の一つに「味噌汁」も含まれていたそう。
ふと疑問に感じた、日本人と「味噌汁」の関係
アーティストとしての活動をする傍ら、”衣食住からアートまでを紹介する展示空間”や”アートの暮らしを体験する貸切宿”を経営している中、ちょうど新型コロナウイルスの上陸・まん延が重なり、ちょうど、衣食住に寄り添った事業へと関心が重なっていたこともあり、誰か一人の満足で終わるアート販売ではなく、もっと広く多くの方が幸せになれるプロダクト(商品)を作って届けたいという思いが芽生えてきたとのこと。
猛威を振るう感染症と戦う日々を目下に経験しつつ、日本の風土にあった食材を現代人の日常生活にフィットするようにアップデートしてみてはどうだろうか?と思うように。また、運動で心身を整えることにチャレンジしていく中で、腸活の大切さにも気づき出したのだそう。
「…では『味噌汁』は?」と思いついたのが『MISONOMI』の始まりだったとのことです。
“コーヒーを飲みにカフェには行くけど、味噌汁を飲みにお店に行かない”のはなぜ?ヒントは女性の意見の中に。
海外にいると「味噌汁はわざわざ食べに行く感覚」があるものの、日本では「コーヒーを求めてカフェには行くけど、味噌汁ではそのテンションにならない」現状を見て、ふと疑問を抱いた坂野氏。
身近にいる女性たちにその疑問をぶつけると「(味噌汁は)地味だから、きれいに見えるイメージがないから」という意見が。
では、、、
・「見栄えが美しくなれば味噌汁も『わざわざ食べに行くもの』になるのでは?」
・「アート×味噌汁→自分で描くように作り、そしてアートをいただく。この商品を通してものづくりの楽しさを感じつつ、『地味』な味噌汁を『楽しんでより美味しく感じられる』食べ物にしてみれば良いのでは?」
と発想を得て、まるで”一杯の絵を作る”ようなブランド『MISONOMI』が誕生したとのことでした。
「体に良くて当たり前」を表現した商品表記
『MISONOMI』はそれぞれの商品にタイトルはついていますが、説明はいたってシンプル。キャッチコピーも用意されていません。
そのワケを聞くと「無添加で健康的であることは当たり前」「まずは作って、見て、食べて美味しいを感じていただきたい。実は体に良い素材だったとわかるのは後からで。」という想いから。
タイトルや説明からインスピレーションを受けつつ、自身の好み・体質・信仰・信念に合わせて選べるようになっていますよ。
▷アレルギー情報表示について
現状、お店では詳しいアレルギー表記はされていないものの、オンラインショップでは特定原材料など28品目のアレルギー情報を確認可能。来店する際は事前にWEBページで確認してから、オンラインで購入する際はその場で確認ができるから安心ですよ。
※お店でも確認できるよう、表示追加をお願いしてきました…!(2023年3月時点)
目と舌で味わう新感覚「みそスープ」で毎日を彩ってみてはいかが?
いかがでしたか?今回は森下駅・清澄白河駅からアクセス至便な「みそスープ」専門店『MISONOMI Cafe』をご紹介しました。
今回この記事を書いている私は、実は「味噌汁」自体が大の苦手。小さい頃からアレルギーの関係で「これなら食べられる」と与えられてきたからか、”ホッとする感覚”などはとうの昔に超えてしまい、既に”飽き”を感じてしまっているほど。
だからこそ、「見た目も美しく、作るのも楽しくて、体に優しい」という『MISONOMI』のみそスープを目にした瞬間は“衝撃”の一言。一口食べて、テイクアウトでいただいた一食も食べ切って、「これなら毎日食べたい」とも、切に感じました。
みなさんもぜひ、都内をお出かけする際には少し足を伸ばして、美味しいみそスープをいただきに行ってみませんか?
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