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すべての人が笑顔になれるスイーツと食文化を目指して〜豆乳パティシエ・うのゆきこの挑戦〜

京都の食文化を背景に、豆乳を使ったスイーツ作りを続けるパティシエ・鵜野友紀子さん(株式会社プラントベースドフード・代表取締役)。彼女は、アレルギーを持つ子どもの「ケーキを食べてみたい」という願いを込めて、挑戦を重ね、「ミラクルケーキ」をずっと作りました。見た目も味も美味しく楽しい食品を追求し続け、「YOURバーグ」や「おからクリーミーコロッケ」など新たな挑戦に前向きです。食の多様性を尊重し、「特別なものではなく、誰もが楽しめるものを作りたい」と語る彼女の思いをお聞きしてきました。

※記事の最後に、プレゼント詳細あり!

「むしやしない」「UNO RAMEN」ブランドの誕生とこだわり

事業の始まり、御社が目指しているところなどを教えてください。

26年前に料理人からパティシエへと転向し、19年前にむしやしないをOPENしました。
その背景には、京都に根付く豆腐文化や地産地消の考え方がありました。

京都では江戸時代から豆腐文化が息づいており、地域の素材を活かすという考え方が根強くあります。今でいうSDGsの概念にも通じますが、そうした伝統を大切にしながら、スイーツ作りに取り組みたいと思ったんです。

四季に合わせたスイーツ作り

もともと料理人だったこともあり、「素材をいかに美味しくするか」という視点を常に大切にしています。しかし、一般的なケーキ作りでは、季節を問わず同じレシピが使われることが多く、そこに疑問を感じていました。

例えばショートケーキは一年中並んでいますが、夏場でも冬場でも同じ糖度・配合で作られています。でも、本来、料理は季節に応じて微妙に調整するもの。暑い時期には塩気のあるものが欲しくなり、寒い時期には糖分を求めるなど、身体の欲するバランスがあります。スイーツもそうあるべきだと考え、素材の持ち味を活かし、四季に合わせたスイーツ作りを大切にしています。

和の素材を活かした新しいスイーツの形

また、当時のスイーツ業界では、フランス産の高級食材を使うのが主流でした。しかし日本の素材や国産フルーツの美味しさに着目し、和の素材を取り入れたスイーツ作りを目指しました。

当時は、“和の素材を使ったケーキ屋”は珍しく、ある意味で異色の存在だったと思います。でも、日本の素晴らしい食材を活かすことで、スイーツの新しい可能性を広げられると信じています。かみむら農園(京都府)の0.002%しかない超プレミアムな有機いちごを使用したケーキなどがあります。

ミラクルケーキ誕生秘話

16年前、私の店に「23種類の食物アレルギーを持つ子どもが、ケーキを食べてみたいと言っている。それを叶えてあげたい」というオファーが届きました。12月21日、クリスマスの4日前という、パティシエにとって最も忙しい時期に。すでにたくさんの予約が入っており、新たな注文を受けるのは非常に困難な状況でした。世界中のパティシエがその子を目の前にしたら、作ってあげたいという気持ちは強くても、実現は難しいと感じるはずです。しかし、私はそのお子さんの思いに応えたいと考えました。

その子、Y君は小麦、乳製品、卵、さらにはフルーツにまでアレルギーがあり、食べられるものがほとんどありませんでした。りんごは食べられるということで、リンゴを煮たり、焼いたり、潰したりして食感を変えながらケーキのベースを作り、その上に砂糖菓子を飾り特別なケーキを完成させました。

迎えた試食の日、Y君がひと口食べると、満面の笑みで「美味しい!」と喜んでくれました。その姿を見て、私は嬉しく感じましたが、同時に胸の奥に罪悪感のようなものが湧いてきました。

 “このケーキは本当に美味しいのだろうか?”

 パティシエとして考えたとき、疑問が生まれました。ケーキとは、ただ食べられるものであれば良いのか? ふわふわしていて、食べた瞬間に幸せな気持ちになれるケーキこそが本当に美味しいケーキなのではないか? そう思った瞬間、私は新たな挑戦を決意しました。

それから私は試行錯誤を繰り返しながら新しいケーキ作りに挑戦し続けました。その間、友人たちと毎月勉強会を開いたり、いろいろな人の知恵を借りながら試作を重ね、ついに7年後『ミラクル*ケーキ』が誕生しました。

『ミラクルケーキ』は、豆乳、米粉、果物、野菜のみで作られた、安心して食べられるケーキです。最初にアレルギー対応のケーキを作ってから7年が経ち、Y君は中学生になっていました。彼のアレルギーも少しずつ改善し、当初は23種類あったアレルゲンも、8種類まで減っていました。そして、この『ミラクルケーキ』を食べてもらった時、彼から思いがけない言葉が返ってきました。

「レベル上がったな!」


まるでゲームの評価をするかのように、上から目線でコメントされたことに、私は驚きました。(笑)
でも、それこそが彼にとって「普通にケーキを楽しめる」ようになった証だったのかもしれません。

「すべての人が笑顔になれる」ケーキ作り

大切にしているのは、見た目も味も、アレルギー対応のケーキと言われなければ気づかないほどの完成度で、すべての人が同じように楽しめるスイーツを作ることです。

アレルギー対応のケーキというと、『食べられない人のための特別なもの』と思われがちですが、私はそうした線引きをしたくありませんでした。小学校の給食でも、『あなたは食べられる人』『あなたは食べられない人』と分けられる場面があります。でも、私はみんなで同じものを食べることが大切だと考えています。

だからこそ、私たちの掲げている言葉は『すべての人が食で笑顔になれるように』。
そのためには、デザイン性にもこだわり、見た目からも『かわいい!』と思ってもらえるスイーツを作ることが重要だと考えているのでデザインにも力を入れています。

そのこだわりは、プティフールにも表れています。完全グルテンフリーかつアレルゲン対応で、ここまで美しいプティフールは世界でもほとんどないはずです。そういう新しい挑戦を続けています。

もし私がYくんに出会わなければ、この仕事はしていなかったかもしれません。
彼との出会いが、今の私を作る大きなきっかけになりました。

【YOURバーグ】を商品化しようと思ったきっかけと理由

現在、「むしやしない」に加え、「UNO RAMEN」というラーメン店を経営しており、開店から2年4ヶ月が経過した今、世界中からのお客様にご予約をいただき、口コミを通じて遠方からも多くのお客様が訪れる人気店となっています。

「アレルゲンフリーの選択肢」のリクエスト

「UNO RAMEN」では、豆乳を使ったラーメンを提供しており、オープンしてわずか4ヶ月目には、お客様から「あなたが作るケーキのように、ラーメンにもアレルゲンフリーの選択肢が欲しい」とのリクエストをいただくようになりました。この声がきっかけとなり、アレルゲンフリーの料理への取り組みを一層強化する決意を固めました。

ソイフリー(大豆不使用)のきっかけ

ソイフリー(大豆を使用しない)ケーキに関しては、5年前から試みを始めました。 豆乳は美味しく、たくさんの方に愛されている一方で、特定のタンパク質ばかりを過剰に摂取するとアレルギー反応を引き起こすことがあると言われています。

過去には、アメリカで大豆が健康に良いとされてきましたが、現在ではその影響に関する論文が多く出ています。特に女性の健康に対する影響が指摘されており、1つの食材に特化して摂取することは体にとって良くないとされています。 海外からのお客様の中にはアレルギー対応が非常に重要な方々が多く、A4用紙の半分以上にわたるアレルゲンのリストを持参されることもしばしばです。これを問題視し、アレルゲンフリーの取り組みを先駆けて進めています。

私たちの体にはバランスが大切で、偏った食事は健康に悪影響を与えることがあります。そのため、私はソイフリーに限らず、他の植物性のタンパク質を使った料理を提案しています。アレルゲンを排除し、MSG(化学調味料)やその他の添加物を極力使わず、純粋で自然な食材を使用することをお客様からの声を受けて実現しました。

雪月花ソイフリー

アメリカにおける「ソイフリー」の関心と重要性

以前、あるアメリカ人の方が家族全員でソイフリーラーメンを食べに来られた時に『ソイは体に影響を及ぼすから、食べてはいけないのよ』と言っておられました。 大豆製品が若い女性や成人女性、更年期の健康に悪影響を与えることがあると考えられているからです。

近年、アメリカではイソフラボンの摂取に関して注意が必要だという新たな健康情報が広まりつつあります。生理前に過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。特に富裕層の間では予防医学を重視しており、食事選びにも非常に慎重を期している文化が根付いているといいます。このため、アメリカでは健康維持や病気予防の一環として、豆乳や大豆製品を避けることが求められているのです。

「MAKUAKE」に挑戦しようと思った理由

アレルギーや食事制限のある方をターゲットにして作った商品ではありますが、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いから挑戦に至りました。

実際、大豆が悪いと思っているわけでも、ヴィーガンが絶対的に良いとも思っていませんが、肉を好む方にも試してほしいと思っています。食の選択肢が増えることが大切で、そういった思いを持って商品を作ってきました。

これからも、健康に敏感な方々や食事制限をされている方々だけでなく、幅広い方々に美味しさや安心を届けられるように頑張っていきたいと思っています。

【YOURバーグ】の特徴

「YOURバーグ」はソイフリーで植物性、アレルゲンのある方の声に応えたハンバーグです。

アレルギー対応の商品では、大豆を使ったものが多いのですが、私たちが目指したのは、栄養価や味にもこだわったハンバーグを作ることでした。

この「YOURバーグ」は、ただのアレルギー対応商品にとどまらず、健康志向の方々にも楽しんでもらえるように開発しました。化学調味料に頼らず、素材本来の力を最大限に引き出すことを心がけました。そのため、えんどう豆やひよこ豆など、栄養価の高い豆を使用し、健康的かつ罪悪感のない商品に仕上げました。

もちろん、価格はお肉を使ったハンバーグよりは少し高めですが、それだけ手間をかけて作り込んでいます。植物性食品ならではの健康志向とおいしさをしっかり両立させた自信作です。これを食べることで、健康的で美味しい食事を楽しんでいただけることが私たちの願いです。

どんな方に「YOURバーグ」を食べていただきたいですか?

「YOURバーグ」を開発する際に、特に意識したのは、アレルギーや宗教的理由、ヴィーガンの方々がこれまで排除されがちだったという感覚を払拭することです。これまでは、そういった方々向けの商品は『特別』感がありましたが、私はその概念を変えたかったのです。このハンバーグは、そういった方々がベースとして楽しめるように作りつつ、普段お肉を食べている方々にも、新しい食感として気軽に試していただきたいと思っています。

最近、食べ物の原料や食文化に関して問題が取り沙汰されることも増えていますが、私はお肉が悪いとは全く思いません。お肉には素晴らしいタンパク質が含まれており、その価値は十分に理解しています。ただ、週に1回、プラントベースの食事を取り入れることで、地球にも健康にも優しい影響を与えることができると信じています。

だからこそ、アレルギーのない方にもこのハンバーグを食べていただき、思いやりのある食文化を広めていきたいという思いがあります。誰もが気軽に楽しめる、新しい食文化を育てることができれば嬉しいです。

「第4回アレルギーフレンドリーブッフェ」の反響

イベントでの皆様からの反響はいかがでしたか?

MAKUAKEでは感想コメントをたくさん書いていただいたり、Instagramのストーリーズにもたくさんシェア、取り上げていただいたりして、今まで届いていなかった層にも届いたのではないかと感じています。

ハンバーグの試食では、「想像より遥かに美味しい!」という声が印象的でした。

アレルギーフレンドリーブッフェに来られている方はお肉が食べられる方が多い印象で、反応が気になっていましたが、お子様がメインだったからか、良い意味で「ハンバーグ=お肉」という概念がなく美味しいハンバーグとして受け入れてもらえたように感じました。

イベントのアンケートで上位に挙がっていた「豆乳パティシエのおからクリーミーコロッケ」ですが、美味しさの秘訣は何かありますか?

このコロッケは、日本中の給食に取り入れてもらいたいと思って作りました。
(全国どこでもプレゼンにいきますのでぜひお声かけください!)

小学生の6人に1人が便秘、そして3人に1人が便秘気味といわれています。
「第二の脳は腸だ」という言葉がありますが、腸は第一の脳とされるほど大切です。

アレルギーや腸内環境の悪化が増えている現代、腸内環境を整えるためには食物繊維が非常に有効です。そこで、私は年間9万トンも捨てられている大豆をアップサイクルし、国産のおからを使った商品を作り始めました。実は、ほとんどのお豆腐(約98%)は外国産の大豆を使っており、国産の大豆を使った豆腐はほんの2%程度しかありません。国産大豆のおからを使い、それをぺシャメルソースに加工するという方法で独自の商品を作り出しました。

おからはパサつきやすい食材で、あまり好まれないことが多いのですが、その特徴を逆手に取って、長所に変えることに挑戦しました。このコロッケは、グルテンフリーでヴィーガン対応、そして化学調味料は一切使用せず、素材そのものの味を引き出すことを大切にしています。その結果、まるでお母さんが作った手作りコロッケのような優しい味わいに仕上がりました。

私はソースを使わない理由として、ソースに含まれる化学調味料に頼ることなく、素材本来の味を大切にしてほしいという思いがあります。最初は、濃い味を好む外国人のお客様から「醤油をください」「ソースをください」と言われたこともありましたが、口コミでその優しい味わいが広まり、今では多くの方がそのままで楽しんでくれています。

このコロッケは、素材のポテンシャルを最大限に生かした、やみつきになる美味しさが特徴です。ぜひ一度、お試しください。

最後に…Allecolle読者の皆さんに一言お願いします。

ぜひ一度、むしやしないの店舗に足を運んでいただきたいです。

アフタヌーンティーや、「豆乳パティシエのおからクリーミーコロッケ」など、こだわりのメニューを店舗でお楽しみいただけます。

少し京都の北の方にあり、アクセスが良いとは言えないかもしれませんが(京都の中心地からバスで35分程度)、落ち着いた雰囲気の店内で、ゆっくりとお食事を楽しんでいただけます。
特にアレルギーのある方は外食の機会が限られていることも多いと思いますが、当店では安心してお召し上がりいただけますし、店頭に並ぶケーキの中からご自身で選ぶ楽しみも味わっていただけるはずです。

ぜひ、実際に店舗でその味わいをお楽しみいただけたら嬉しいです。

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