小学校1年生のアレルギーっ子母、カオリです。私はもともと旅が大好きです。私を知る人が誰もいない、誰も私を知らない、その状況にドーパミンが出ます(笑)。ただそれも、アレルギーを持つ我が子を連れてとなると話が変わります。「行きたい」でも「怖い」。その狭間で揺れながら決意したグランピング体験についてお話しします。
怖がり家族の決意
アレっ子同伴でも都会への旅は割としてきました。でもふと思ったのです。木々の香り、鳥のさえずり、朝日や夕日の眩しさ、それらを感じさせなくて良いのか?と。
何を隠そう我々はアウトドア無関心夫婦。その影響で案の定、虫嫌いのビビリなチキン達で構成されたわが家。会議の末、自然界へ足を踏み入れる事を決めました。
重い腰を上げてみたものの、課題は山積み。まずは立地の検討から。アレルギー症状に備えて、救急搬送が出来る事は必須。となると僻地(へきち)へ行くのは難しくなります。そこで思いついたのが、”やや田舎でのグランピング”です。自然に囲まれつつも設備が整っている環境は、初めての地方訪問にはもってこいでではないでしょうか。
支度や調整は盛りだくさん
準備として行ったのが、”常備薬の強化”。病院に事情を話して相談しました。「お守りね!」と、主治医から処方されたエピペン1本の追加は、かなり心強かったです。予備がある事で、必ず上手に打たないといけないというプレッシャーから少し解放されました。他にも複数の追加処方があったのですが、全て先生から言い出してくれた内容でした。『この人で良かったな』と感謝した出来事でもありました(主治医は旅行好き)。
そして施設へのアレルギーについての問い合わせ。ここからが勝負です。まずは丁寧に確実にお伝えしたいので、電話ではなくメールをしました。お返事に電話を下さって、直接スタッフさんの雰囲気を感じる事も出来ました。ハウスダスト予防のための部屋の掃除の徹底、BBQ食材への細かい指示、朝食の持ち込みなど、何度もやり取りを繰り返しながらたくさんのご了承を頂きました。この時点で涙が出そうでした(嬉)。
ドキドキしたまま、いざ行かん
さあ出陣。送迎車も綺麗で丁寧で、好印象でした。チェックインの際に
「お風呂ですが、大浴場ではなく、空いている部屋のお風呂(しかも露天)を使われませんか?」と言われ、目から鱗と同時に泣きそう(2回目)。
共用の大浴場は沢山のシャンプー類が選べることを売りにされており、アレルゲンが気になりました。全ての成分確認は難しいとの事で、人の少ない時間に大急ぎで入ろうと決めていました。まさかのどんでん返しでした。
散々遊んで空腹と同時にBBQ開始。お願いした通り、全ての食材が味付けなし、食材別に盛り付けされていました。「リゾット用のスープは色々入っているのでお持ちしませんでした。いかがしましょうか?」と、とりあえず私達の元へ運ばないという安心に信用がおけました。そしてお味は過去最高。ご配慮頂いた露天風呂で温まり、手持ち花火を楽しみ(汗だくでお風呂が無駄(笑))、冷暖房完備の快適なテントでぐっすり休みました。
結局はコミュニケーション
計画しだすと、相手がどのくらい真摯でいてくれるかが見えます。ホームページや口コミからは「姿勢」が伝わります。選び、いざやり取りする中で、本性を暴きます(笑)それはお互い様で相手もこちらの態度を見ています。もし信頼が芽生えたならば、不安を乗り越えてでも飛び込む決心がつくのではないでしょうか。
ありつけるまで諦めない
今回は施設名については言及しません。頂いたご配慮は、あくまでその時のもので、また取り交わしにより作られていくものだと思うからです。アンテナを張り本気で探すと、きっと必要な場所に巡り会えますよ。
「アレルギーを理由にできない事は、アレルゲンの摂取(接触)のみ」という考えで、アレルギーのある子どもを育ています。たくさんの経験をさせる事と、命を守る事の両方を同じくらい大切にしたいです。
インスタグラムなどにてアレルギーコミュニティ「DESSA(デッサ)」を運営中。