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みんな大好きあの「ハンバーグ」の開発秘話:びっくりドンキーに取材してみた!

毎日アレルギー対応のお食事作りを頑張っているパパママ。たまには休みたい…と外食を検討することも多いですよね。できれば子供たちが楽しく過ごしてくれて、大人も満足できる飲食店を考えると、いくつかの候補の中に「ハンバーグ」も上がってくるかと思います。そんな時に利用しやすいのが、小麦・卵・乳製品不使用のハンバーグを提供している「びっくりドンキー」!
今回は、「びっくりドンキー」チェーン本部、株式会社アレフ 商品本部 グランドメニュー企画担当の小澤 友裕(おざわ ともひろ)様に、アレっ子界隈で話題のメニュー『乳・小麦・卵を使わないハンバーグ』についてインタビューしてきました♪

どうして乳・小麦・卵を使わないハンバーグの開発に至ったの?

まずは私が店舗にいた頃のお話からさせていただきます。2012~2013年ごろの話です。

当時はアレルギー対応の商品の開発前です。店舗ですともちろん、アレルギーをお持ちのお客様のご対応もさせていただいたことがあったのですが、その中で特に印象に残るご家族様がいらっしゃいました。お弁当持ち込みを希望されたんです。

家族はハンバーグを食べているけれど、アレルギーを持っている当事者の男の子はお弁当。その様子を見て、「全く同じものではないとしても、形だけでも同じものが食べて、もっと楽しい食の時間を過ごしてほしいな」と、思ったのがその後の原動力となりました。

2014年に、社内で「”アレルギー対応メニュー開発”に取り組んでいこう」という話が出てきました。私は元々薬学部出身で製薬会社に勤めていたこともありました。そのため、アレルギーに関する知識は社内ではまだ持ち合わせている方だと思っておりましたし、勉強したことを何らかの形でアウトプットしたいという思いもありました。この機会は絶好だと思い、自ら開発担当として手を挙げさせていただきました。

開発メンバーは、自分とメニュー開発担当の2名と少人数でした。なお、このメニューの開発には(この後お話ししますが)2~3年の歳月を要しました。なので苦労度はダントツです。

どうして対応アレルゲンを乳・小麦・卵にしたの?

実は開発段階ではすでに、他のファミリーレストランで一部アレルギー対応メニューの提供がありました。また、大手食肉メーカーも対応食品を製造販売している状況。そのため、我々は「後発だからこそなにか特徴を出さないと」と、差別化を意識しました。

他社のメニュー、商品をよく調査してみると、皆、特定原材料7品目および準ずるものの品目を紐づけて打ち出し、「安全性」を強く謳っていらっしゃいました。もちろん、実際に食べにいってみることも。

私たちは「アレルギー対応だけど『おいしい!』と言ってもらえるものをつくろう」、ここを重点を置くことに決めました。

当然ですが、安全性の大切さはとても理解しておりました。しかし、おいしさを追求する上ではかなりハードルが高く、議論を重ねた結果(三大アレルゲンと言われる)卵・乳・小麦は使わないようにしようと決めました。

販売する際に気をつけていること

画像:読者提供 / 「乳・小麦・卵を使わないハンバーグ」を注文した方用のランチョンマット

気をつけていることは、挙げていけば限りなくいろいろと申し上げられますが、特に以下についてはお伝えしたいと思います。

◾️コンタミネーションの対応

当社の業態上、どうしても完全除去を実現するのは無理でした。やはり社内からはさまざまな意見が出てきましたが、「できる限り尽くそうよ」という姿勢で取り組みました。

現在は、“調理手順や道具の管理などを徹底し、異物混入の防止に努めておりますが、二次的混入の可能性を全て防ぐことはできない”ということをご希望されるお客様にしっかりご理解をいただけるようご案内しております。また、お客様の症状の程度や体調により、アレルギー物質の微量な混入で発症する場合や、アレルギーの重度は人によって異なるため、最終的な判断はお客様ご自身にお願いをしています。

◾️製造工程、原材料の徹底的な「目視チェック」

本商品については、まず、原材料を作っている工場は全て視察しました。そこで作っているものの原材料・添加物など、何から何まで自分の目でチェックし、一つずつ、使える食材を決めていきました。

また、ハンバーグの製造を行っている工場で原材料および、複合原材料については、アレルゲンが入っていないことをトレース(追跡)できる状態にした上で取り扱っています。

◾️店舗での提供オペレーションの工夫

実はこのメニューは2016年に限られた店舗の“実験導入”を経て、アンケートでのフィードバックを得て、内容を整えてから、2017年全店導入を果たしたメニューでした。しかし、全店導入開始5日目にして、誤配膳が起きてしまいました。原因は、従業員が機械でオーダーを受ける際に本商品と”キッズ用ハンバーグ(卵・乳使用)”の両方のオーダーを入れてしまったためです。この時には本メニュー(アレルギー対応のもの)を先に出すというマニュアルがまだなく、誤入力してしまったキッズ用のハンバーグが先に配膳されてしまったのでした。

配膳したスタッフは「キッズ用」とご案内してからお客様にお出したものの、形が似ているのでお客様自体は気づかず…。それから10分後ぐらいに本メニューが届き「え、じゃあ今ここにあるハンバーグは何…?」となって発覚。またこれにより、お召し上がりになった当事者の方にアレルギー症状が起きてしまいました。幸い、目の痒みを感じる程度の症状で、病院でも軽症と診断。しかし、お客様の休日1日を台無しにしてしまったと我々は深く反省いたしました。

この一件を受け、本メニューの提供を全店で一旦ストップすることになりました。そして二度と同じことを起こさないよう”配膳に関するフローの見直し”に、約半年の時間を要しました。


本件を通して、「調理を注意するだけでなくお召し上がりになる方に間違いなく配膳することでこのメニューが完成する」という認識を強く持つようになりました。

現在では専用のランチョンマットやフダを使用し、誰が配膳しても間違いが起きない工夫を施しています。また、他のハンバーグの誤食を防ぐため、本メニューが一番初めに提供されるよう調整することも徹底しております。そのため、他の商品提供にお時間を要することへのご理解をいただいております。そのほか、調理場での伝達が一目瞭然となるような工夫も行いました。

このオペレーションを確立した後、今度は“段階的に”店舗を拡大していきました。当社には直営店と加盟店(FC、フランチャイズ)、2種類の店舗業態がありますが、誤配膳の一件を受け、より命に関わるものと理解を深めるために丁寧に加盟店に説明をしていき、2021年に全店導入されました。開発に着手してから7年後のことです。

お客様の反応は?

率直に申し上げると大きな反響がありました。こんなに感謝されて良いのだろうか…と思うほどに、多くの感謝のお言葉を頂戴しています。

反響は、2016年の試験販売段階でアンケート結果からもありました。「初めてびっくりドンキーに来れた」「初めて外食できた」「(特にママさんから)みんなでびっくりドンキーで食事ができるようになった」などなど…様々なお声をいただきました。中には、便箋に何枚にも渡ってお手紙をくださった方も。このお手紙は社内で共有させていただきました。

商品開発という業種は、褒められることが少なく、通常はご指摘やご意見の方が多いです。ですが、その期待を超えた時に「何か、この思いを伝えたい」という想いが芽生え、皆様からありがたいお気持ちを声として届けて下さっているのだと思います。

他商品と比べても、アレルギー対応ハンバーグは多くの反響をいただいています。しかも継続的に、また定期的に。とても有り難く、日々の励みになっています。販売開始してしばらく経ってもなお、このようにお声をいただけるのはとても嬉しいの一言に尽きます。これからも誠実にご提供していこうという気持ちにもなりますし、それは私自身だけでなく、開発に関わった関係者全員が「開発して良かった。」と感じているのではないでしょうか。

ちなみに…

by PIXTA

「美味しかった、ありがとうございました」というお言葉を、紙ナプキンの裏などにそっと書いてくださるお客様がいらっしゃいます。また、アンケートをとった際にも、アンケート用紙の裏に思いを綴ってくれた方もいらっしゃいました。文字に思いを込めて書いてくださるのをいただくと、本当に胸いっぱいになります…。特にアレルギー対応商品に関してはこのようなケースが多く、想像以上に嬉しさを感じています。

アレルギー当事者以外の方からの反応は?大人用の必要性

by びっくりドンキー公式HP|ライス・サラダ小盛りVer.

各店のアレルギー対応メニューを食べ回っていた頃、ふと感じていた疑問が『なぜ子供用ばかりで大人用のメニューがないのだろう』ということ。アレルギーは子供だけではないのに…大人が恥ずかしいなと思いながら子供用の小さい商品を頼む現状…足りない時は2つ頼んだり…。とても不思議に思っていました。

自分が当事者と同じ体験をして、純粋に、不便・不足を感じたところは対処しておきたいと思いました。ハンバーグの大きさを変えるのは難しかったため、ご飯やサラダの量を変更できるようにし、少し大きくなっても(小学校高学年〜中学生くらいになっても)満足できるようなものを提供したいという思いで2サイズご用意することにしました。

通販商品も当初から考えていた

出典:デリシャス株式会社|公式

開発当初、当事者の皆様の目線に立ち続けて、どんなことがリスクになったり、食事を選ぶ際の障壁になってしまうのかをよく考えました。その中で、お店に来ていただくことと同時に、お店に来ること自体のハードルが高い方、その方々に対してのアプローチとして、通販(小売)用の商品開発の必要性を感じ、企画当初から小売用の包装や一括表示を作っておりました。

そこで「通販(オンラインでの冷凍販売)」を整備することにしました。ネット配送でご提供できれば、お店に来るリスクを気にせずにご自宅でアレルギー対応のハンバーグをお召し上がりいただけます。

また、販売先を生協やオンラインショップ「sowelu(ソエル)」(生協は時期により販売していないこともある)を中心にしています。もし製造上で何かお伝えしなければならない事態が起きた際に、すぐにお客様にお知らせできる環境にしておきたかったからです。

私たちが目指すところは、お店に来てアレルギー商品を食べていただくことというよりは、どちらかというと「ご家族の皆さんと一緒に美味しいハンバーグを囲んで楽しいお食事の時間を過ごせる環境作りをすること」。この通販は本メニュー企画の軸になるものと当初より位置付けており、最終的にはこの通販でしっかり販売していく、というのが目標です。

▪️オンライン販売サイトはこちら(ソエル)

実はこんなお客様にも需要が!

写真:読者提供 / マヨネーズはキューピーエッグケアです

アレルギーをお持ちの方向けとして開発したメニューではありますが、実はご年配の方々にもご好評いただいています。高齢になりますと、嚥下(えんげ、飲み込むこと)が難しくなったり、量を食べられなくなることから、とろみのあるソースや大人用のメニューでありながらも少なめのサイズが好ましいためです。

「乳・小麦・卵を使わないハンバーグ」のソースはとろみのある『あんかけソース』ですし、お子様メニューでもなく一般メニューのひとつ。サイズも選べるということで、ご希望に合うメニューとご判断いただき、実際にお召し上がりいただいているところをよくお見かけします。

最後に…

たくさんの開発期間をかけ、試行錯誤し、皆様からご意見をいただきながら作り上げた「乳・小麦・卵を使わないハンバーグ」。アレルギー物質の二次的混入の可能性を全て防ぐことはできないのですが、私たちが目指した『アレルギー対応だけど美味しいハンバーグ』をよろしければぜひ一度、ご賞味いただければ嬉しいです。

私たちの願いは、家族みんなでお食事をするシーンづくりのお手伝いをして、喜びのひとときを過ごしていただきたいということ。美味しくて楽しい時間を「びっくりドンキー」でお過ごしくだされば、とても励みになります。皆様のお越しをお待ちしております。

真心込めて開発されたハンバーグ。今度食べに行く時はより一層味わい深く感じるかも。

いかがでしたか?今回は「びっくりドンキー」の開発ご担当者様に「乳・小麦・卵を使わないハンバーグ」の開発についてのインタビューをお届けいたしました。
インタビュー時、ご担当者様は初めに「今日は包み隠さずお話させていただきます」とおっしゃられてから私たちの質問にご回答くださいました。その真っ直ぐな姿勢にまず圧倒され、また、実際にアレっ子と同じように注文をする体験に挑まれたお話や、強弱様々なアレルギー体質の方々の立ち続けて「より良い届け方」を何年にもわたって模索され今日(こんにち)に至っているというお話に深く感銘を受けました。みなさんもご機会があれば、「乳・小麦・卵を使わないハンバーグ」を食べてみてくださいね。

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