娘が「食べれるようになるために」と焦っていた過去の私
娘のアレルギーが分かったのは生後7ヶ月の頃のこと。小麦と卵のアレルギーで、卵に関しては数値も高く、1歳までは完全除去の生活でした。
負荷試験を開始したのが1歳。現在主流となっている、少しずつ食べて体を慣れさせ徐々に量を増やしていく「経口免疫療法」という方法を行いました。
負荷試験の進捗
負荷試験の進め方
まず初めは、試してみる負荷量の試験を病院で行います。特に問題が無ければ、自宅で一定期間(約1か月間)、同量の負荷を続けます。一定期間を過ぎたら再び病院で、さらに量を増やして試験を行います。これを繰り返していき、アレルゲンを身体に慣らしていき「寛解(かんかい、アレルギー症状が出ない状態になること)」を目指します。
まずは「小麦」から
はじめに取り組んだのは数値の低かった「小麦」。試験は順調に進み、2歳には解除ができました。この経験から「負荷試験をやれば、たとえペースが遅かったとしても、食べられるようになるんだ!」と希望を持つことができ、負荷試験に対して前向きな気持ちになれていました。
大変だったのは「卵」
しかし、2歳からスタートした卵に関しては、なかなか一筋縄ではいきませんでした…。
卵黄からスタートして卵黄一個分はクリアしたものの、卵白の負荷試験をはじめて3歳になった頃、病院での負荷試験中に蕁麻疹が出始め、みるみるうちに全身に広がり点滴を受ける事態になりました。その後、進めるペースを改めて先生と相談した上で、少しずつ増やしていくことにしました。
(6歳になった現在は、固茹での茹で卵であれば「卵白30g」まで食べられるようになりました。)
スランプが訪れる
しかし、量も増えてくるとなかなか食べることも困難になっていきました。6歳になるまでの間には負荷試験でたびたび、痒い蕁麻疹やつらい咳症状を経験。本人としては苦しい体験が重なり、次第に「食べると痒くなるから嫌だ」という思いに…。
そう、娘が食べたがらなくなってしまったのです。
しかし「食べなければ、食べられるようにならない。」と思い込んで焦っていた私。また、「大きくなったら、『オムライス』を食べられるようになりたい」という娘の願いもモチベーションにしながら、親子で負荷試験を進めてきた背景もあったので思い入れも強く、「どうにか娘が食べられるようにしてあげなきゃ!」と、気付けば母として自分をきつく追い込んでしまうようになっていました。
時には食べてくれない娘に「食べなさい!」と強く言ってしまったことも…。今振り返れば、娘の気持ちに寄り添ってあげれず、親の気持ちを押し付けてしまっていたように感じます。
小学校入学を目前に「焦り」がピークに
スランプに陥っていた当時は、小学校入学を1年後に控えていました。『集団生活の中でみんなと同じ給食を食べれるようにする』という目標を持っていたため、母としては「出来れば入学までに食べられるように!」と、とにかく焦燥感で頭がいっぱいになっていました。
そんな心境の中、娘は、秋に行った負荷試験でアナフィラキシーを起こしてしまいました。先生の判断では『半年は食べれる量での現状維持』とのこと…つまり、この時点で小学校入学は間に合わないことが決定してしまったのでした。「間に合わない」と分かった時、さすがに少し落ち込みました。
入学前の面談で心に余裕が生まれた
焦ったり落ち込んだりしていた私でしたが、実は今は娘のアレルギー治療に関して私は焦りを感じていないのです。というのは、娘の通う小学校でのアレルギー対応状況がわかったからです。
面談で伺った、小学校でのアレルギー対応
小学校での集団生活にあたり、不安を感じていたのは「給食でのアレルギー対応」に関して。
○除去食を出してくれるのか?
○お弁当などを持参しなくてはならないのか?
○給食当番はみんなとできるのか?
大きな心配の元はこの3点でした。
小学校入学前に、校長先生や養護教諭の先生などと個別で面談をしていただいたところ、他にもアレルギーのあるお子さんが多数いらっしゃるとのことで、アレルギー対応には慣れているという印象でした。
面談のなかで特に驚いたのは、「当校では、加工食品には基本的に卵・乳は使用していません。パンも卵は不使用です。」という回答でした。さらに、卵を使用するメニューが提供される日も、除去食として”卵を抜いたメニュー”を提供していただけるとのこと!娘は卵の負荷試験を急がなくても問題なく学校に通えるとわかり、とても安堵したのを覚えています。
また、小学校生活につきものである「給食当番」に関しても、先生と相談した上で、クラスメイトのみんなと一緒にやらせていただけることになりました。
この面談を通して、抱えていたさまざまな不安が解消され、安心して小学校入学を迎えられるようになり、親子共にフッと肩の力が抜けました。アレルギーに関して不明点が多く不安を感じる場合は、まずは聞いてみることが大事だと実感しました。
「負荷試験」での戦いはまだまだ続く…
私たち親子の体験談はいかがでしたか?負荷試験のやり方(方針)、進捗は人それぞれなので、私たちのお話は一例としてご参考にしていただければ幸いです。我が娘の「卵アレルギー」との格闘はまだまだ続きますが、いつか、娘念願の「オムライス」が問題なく食べられるようになるその日まで、娘の体と心を支えていこうと思っています。
神奈川県在住。8歳、5歳、0歳の3児のママをしています(2023年12月現在)。結婚前は幼稚園教諭をしていましたが、子どもとの時間を大切にしたいと思い妊娠を機に退職。長女は生後7ヶ月で小麦・卵のアレルギー診断を受け、知識ゼロからのスタートで途方に暮れていましたが、アレルギーと向き合って7年目で付き合い方もわかってきたので、現在、「過去の自分のようにアレルギーに悩むママの力になりたい!」と活動中。オンラインで麹講座を開催してます。