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【旅するアレっ子厳選】国内推し旅先その1:山形県鶴岡市(全3篇)

by red / ショウナイホテル スイデンテラスの通路にて

*本記事は全3篇のうちの1本目です。
*本内容は2021〜2022年現在の内容です。最新情報は各スポット公式ホームページなどをご確認ください。


こんにちは、旅するアレっ子れっどさんと申します。いきなり真夜中の自撮り写真ですみません…。

私は、生後1ヶ月から環境アレルギーの症状で生死を彷徨い、生後3ヶ月から食物アレルギーもプラスされ、かれこれ30年闘っている大人アレっ子です。いままで、写真・ブライダル・ホテル業界を経て、現在は旅行ライターカメラマンを3年続けています。そのため、仕事やプライベートで1ヶ月に約1回はどこかへ旅しているのですが、社会人になってから、40都道府県を旅してきました。

by red

そんな私は、いろんな場所で自己紹介をすると必ず「いままで行った場所で一番良かったところはどこですか?」とご質問いただきます。ありがたい質問ですが旅行ライターとしては甲乙つけ難く、答えるのに悩ましくも感じる質問でもあります…が、その良し悪しも含め、特に印象深かったスポットはいくつか挙げられます。

この連載(その3まであります)では、私が訪れた頃のお話も混ぜつつ、皆さんにぜひ訪れてみていただきたいスポットをご紹介します。熱意がこもりすぎるので、気長にお付き合いいただけましたら嬉しいです。

激推しスポット、山形県鶴岡市

by red

今まで行って一番良かったところはどこ?と聞かれて必ず答えるスポット。
渋いけれど、人々の真っ直ぐさが素敵で、他の地域にはない歴史文化が息づき、神聖なスポットも残る、東北の中でも指折りの実に神秘に満ちた都市です。この記事では、季節を替えて2回訪れた鶴岡の魅力をかいつまんでご紹介します。

この地を初めて訪れたのは2年前。旅行ライターカメラマンとしてのお仕事でご縁をいただきました。このお仕事の時は、とある有名人の方と共に旅をするという企画で、それはそれは緊張したのを覚えています。ご本人は(というより、旅行関係のお仕事をされている皆さんに言えることなのですが)とても気さくに接してくださり、割と体力を使う行程でしたが非常に楽しく過ごさせていただいたのが記憶に新しいです。

“生まれ変わりの旅”ができる出羽三山詣

by red / 湯殿山神社の鳥居

そんな鶴岡の観光といえば、まず挙げられるのが羽黒山(はぐろやま)・月山(がっさん)・湯殿山(ゆどのさん)巡り。この三山を巡ることで過去・現在・未来を巡れるという「生まれかわりの旅」は、江戸時代に「出羽三山詣」として庶民に流行ったそう。文化庁が認定する、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーである「日本遺産」に「自然と信仰が息づく『生まれかわりの旅』~樹齢300年を超える杉並木につつまれた2,446段の石段から始まる出羽三山~」として指定されています。

◾️湯殿山での撮影NGお参り

by red / 撮影可能エリアぎりぎり

湯殿山には人型を流したり裸足で参拝したりする湯殿山神社があります。実はこちらの神社は本宮が撮影禁止となっている神聖な神社。「語るなかれ」「聞くなかれ」の神社としても知られています。

神様は山本体。境内の中では、山の岩場に温泉がうっすら満ちた不思議な空間。閉山間際の時期に行くと足は凍てつく寒さで参拝は泣きたくなりますが、最後に足湯があるので、無事に練り歩き終わった後、お湯にくるぶしの上まで浸けた時には「頑張ってよかったーー!」と思えるはず。

by red / 湯殿山神社本宮の鳥居

神社の麓には見上げるほどに大きな鳥居が聳えています。あまりのダイナミックさなので、近づきすぎるとカメラに収まりません(笑)。スマホで撮影するにも、広角モードが必須です。

by red / 羽黒山の五重塔

◾️羽黒山の石段詣

羽黒山では、山道に作られた2446段の階段を登ることでお参りとなる「石段詣」ができます。ほぼハイキングみたいなお参りになるので、子連れなら、お子さんが頑張れる年頃に体験するのがおすすめです。始める前に「お注連(おしめ)」を購入し、首にかけてからスタートします。(結界なのだそうです。お参り後は持ち帰えることが可能なので、私は今でも自室にかけて飾ってあります。)

by red / 石段の彫り絵

ちなみに、地元の小学生も遠足で訪れるスポットでもあります。“石段に刻まれた33の彫り物を全部見つければ願い事が叶う”という楽しみもあるので、意外に頑張れます(笑)。

by red / 晩秋とは思えない景色

このお参りには私を含め女性計3名で挑戦。もうすぐ冬も近いほどの晩秋だったのに、びっくりするくらい青々しい木々が残り、季節感がわからなくなってしまう光景でした。

by red / ものすごい雨

また、この時は雨もしとしと降り注いでいたので、あたりの景色は一層幻想的。山に神が宿っているとはまさにこのこと、と言わんばかりの日でした。

by red / 二の丸茶屋の外観
by red / 建物内部と玉こんにゃく

途中、地元のお母さんが経営しているお茶屋「二の坂茶屋」があり、到着してお話していると、煮たばかりという玉こんにゃくを試食させてくださいました。

by red / メニュー
by red / お抹茶と力餅(2種)のセット
by red / 力餅を食らう私

こちらでは外席で山の絶景見ながら食べる力餅がサイコー!ちなみにこちらのお母さん、営業日は毎日、食材を運搬しながら山を登ってお店まで来ているというから驚き。どんな体力してるんだ!

by red / 斎館の入り口

さらに登っていくと、ゴールの手前に「羽黒山参籠所「齋館」」というスポットがあります。「奥の細道」の行脚で出羽三山を訪れた際、俳聖・松尾芭蕉をもてなしたともいわれている館なのだとか。

by red / 精進御膳
by red / 月うさぎ御膳。ヴィーガンでもいただけます。

こちらでは三山をモチーフにした精進料理をいただけます。これが滋味深く本当に美味しい!お子さんには物足りない味付けかもしれませんが、舌が肥えていればいるほど、この美味しさがいかにすごいかをお感じいただけると思います。

また、こちらで仕込んでおり、ほんの短い間だけ通信販売をしている(すぐに売り切れてしまう)という山菜のお惣菜が絶品すぎるんです(写真が無く恐縮です…)。もうすぐ配送開始、というお見本を見せてくださったので興味津々にしていたら、ご好意で1セットお分けいただいたきました。ただ、賞味期限が1週間くらいしか無いとのことで、私は翌々日の旅先でいただいたのですが(新潟県長岡市にいたのですが夜も深い時間に宿に着いたので食事ができるお店も空いておらず泣く泣く開けた)、「山菜うまい!何だこれ!」そして濃すぎない塩味…寒さに弱い私の体にぐっと滲みました、、。
※「齋館」のお料理は全て事前予約必須。なお、ヴィーガン対応も要相談だそうです。

参考:出羽三山神社公式ホームページ|斎館

想像を超えてくるルーツがある!鶴岡ならではの食

by red / 東京第一ホテル鶴岡 レストラン「モナミ」にて。3名以上にて提供。3日前までに要予約。

そんな鶴岡ですが、歴史と食文化の繋がりも面白いんです。鶴岡に伝わる「鶏飯(けいはん)」があるのですが、ルーツは鹿児島県とのこと!明治初期に鶴岡元藩士が鹿児島留学した際に現地で食べた郷土料理をオマージュして作ったのが原点なのだそうです。
参考:鹿児島名物 鶏飯(けいはん)と酒井家

by red
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さらに、国産絹糸・絹織物の産地でもある鶴岡では、シルクを混ぜ込んだブレッド「庄内米と鶴岡シルクのフォカッチャ」もいただけます(非アレルギー対応)。こちらも明治初期、地域を支え国を盛り上げる産業として注目されていた養蚕業を鶴岡の地に根付かせたことから現在に至っています。

食から遡って知る鶴岡の底力

by red / このような建物が計5つある(2022年時の情報)

全国的には群馬の富岡製糸場が有名どころですが、鶴岡の「松ヶ岡開墾場」はより規模が大きい!養蚕業の要である”お蚕さま”は寒冷地で生きることが大変困難で、鶴岡は最北端の養蚕地とも言われています。

by red お蚕さまのお部屋は風通しの良い屋根の下(2F)。1Fに設備が迫り出している。
by red / お蚕さまの暖を取るためのカイロ設備

建物内にはいまでも、寒さからお蚕さまを守った設備が残っています。

by red / 資料館。歴代の天皇皇后両陛下が訪問された際のお写真もあります。

現在は当時の建物を活かしながら、養蚕の歴史を知ることから実際に絹織物を購入することまでできるスポットとなっています。なお、こちらも「サムライゆかりのシルク 日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ」として日本遺産に指定されています。徳川家の超トップ家臣であり庄内藩を収めていた松平家は江戸から明治への時代変遷とともに、刀を産業道具に持ち替え、必死に藩の経済を支えました。その一大産業として養蚕業を実施。この当時から現在まで養蚕業を続けている地域は非常に珍しいそうです。


※余談ですが、こちらの現在の代表は元医師の方で、アレルギーに関しても知見が深く、お伺いした際は話が盛り上がりすぎてしまい、私は次のアポイントを1時間以上も遅れてしまった…というやらかしもしました(汗、同じ敷地内にある施設だったのでまだ救われたのですが…)。

ちなみに鶴岡市には、クモの糸の世界初の人工合成による構造タンパク質素材「Brewed Protein™️(ブリュード・プロテイン™️)」の量産化に成功した「Spiber( スパイバー)」という企業や、慶應義塾大学の先端生命科学研究所もあるんですよ。鶴岡って実はめちゃくちゃ最先端!

昔ながらのシンプルな味は不滅

by red
by red / 難しい顔をしていますが美味しくいただいています。

食の話に戻りますが、山形の味といえば「麦切り」もはずせません。一般的には冷麦(ひやむぎ)と呼ばれる食べ物に近いもので、市内のさまざまな飲食店でいただくことができます。ツルツルとした喉越しが心地良く、スルスルといただけました。

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なお、お土産品にも麺類が多く、バリエーションもさまざま。どれを買おうか、お世辞でなく本当に悩みます。(基本的に小麦使用です。

by red

また、麺類だけでなく、お菓子や米粉のお土産品もあります。なかでも庄内産の柿を使用したヴィーガンエナジーバーは、柿を感じにくい美味しさでお子様でも食べやすいかと思います。現在はパッケージが変わっております。(先日Allecolle公式にて公開したこちらの記事にて最新パッケージをご覧いただけます。)

“詣でる”だけじゃない。大人も子どももテンション上がる観光スポット

by red / 水族館外観

鶴岡の観光地は屋外ばかりではありません。世界一のクラゲ展示種類数を誇る「クラネタリウム」を有する水族館「鶴岡市立加茂水族館」も非常に有名です。

by red / クラネタリウム

SNS映えを狙うインスタグラマーがこぞって訪れるスポットですが、2023年の1月10日に来場者数0(ゼロ)の日ができてしまい、旧Twitter(現X)「ダレカキテ」の自虐ツイートをしたことでも話題になった水族館でもあります…。

by red / こういう時、超観光客らしいポーズしかできない私

一番の見どころはなんといっても直径5メートルの水槽の中で約1万体ミズクラゲがゆっくりぐるぐると浮遊している「クラゲドリームシアター」。この前で写真を撮らずにはまず帰れません!

by red / 周りが暗いからか、何かが起きそうな雰囲気のクラゲチューブ

他にも円筒型の「クラゲチューブ」もおすすめ。様々な色に照らし出されて不思議な雰囲気が漂っています。

クラゲの他にも庄内の淡水魚観察できるゾーンやアシカ・アザラシを見られるゾーンもあるので、クラゲだけの水族館とは思わないでいただきたいです…!

by red / クラゲソフト(カップ)とオリジナルの塩サイダー


と言いつつ、館内の飲食店でいただけるオリジナルスイーツはクラゲアイスやクラゲソフト(いずれも乳製品のアイスにクラゲの身が刻まれて乗っかっているもの)、オリジナルミールはクラゲラーメン( 小ぶりのクラゲときくらげが載っかっている醤油ラーメン)と、やっぱりクラゲ推しです。

by red / 館内にあるお魚のレストランと売店

なお、アレっ子が食べられそうなものを探すと…刺し身とかになってきます。私は大人しく、サイダーだけ飲んだ記憶があります。。。

アレっ子にも優しい!雑誌の表紙を飾った唯一無二の美麗ホテル

by red

そうそう、忘れてはならないお宿情報。鶴岡の宿泊といえば、某ライフスタイル誌でも表紙を飾ったことがある「ショウナイホテル スイデンテラス」です。ここに泊まるために訪れる方もいらっしゃるほど!水田の真ん中にどどーんと立っている大きなホテルなんですよ。

by red

(実は、前職で少しだけこちらのホテルと関わりがあったので、個人的には「やっと来ることができた!」という感覚でした。入り口から美しくて感動しちゃいました!)

by red

館内は明るい木の温もりでいっぱい。そして目玉は宿泊者なら誰でも自由に利用できる「共用ライブラリー」。約2000冊の本がずらりと並ぶ本棚には圧倒されます。

by red / アレルギー共有シートを記入中のフロントスタッフさん

この時の宿泊では、翌朝の朝食をホテルで食べる予定にしていたので、チェックイン時にアレルギーの相談をしました。すると、スタッフ共有用のアレルギーヒアリングシートのようなものを目の前で作成くださいました。これはものすごく安心感がありました。(ご対応時に、アレルギー対応についての口コミの許可をいただいております。)

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お部屋も広々としていて、ゆったりできました。素敵なスパがあるとは聞いていたのですが、あまりに疲れてしまっており、私は部屋風呂に入ってしまったのと、とにかく荷物を整理することで精一杯だったので…私としたことがお部屋のお写真も撮らずに寝てしまい…しっかりとしたお写真が手元に残っておらず断片的で失礼致します…。

by red

翌朝は共用棟にある「MOON TERRASSE」で朝食をいただきました。アレルギーをお伝えしていたので、スタッフの方が朝食メニューと照らし合わせながら、それぞれに何が入っているかを教えてくださいました。(運良く、この日の朝食には私が食べられないメニューはありませんでした。)

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テラス席にご案内いただいたので、目の前には朝の水田が広がり、清々しい朝の時間を過ごせました。

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ちなみに、テラスから見えるドームは「キッズドームソライ」。0歳~小学6年生までを対象にした全天候型の児童教育施設で、体を思いきり動かして遊べる「アソビバ」と、好きな素材で自由に物作りができる「ツクルバ」の2つの空間があるそうです。時間の関係でこちらの内部を見ることができませんでしたが、気になる方はホームページを見てみてくださいね。

…ああ!紹介しきれない!

by red / 花園神社の御朱印(写真は一例です)

鶴岡には他にも、かつて最先端の教育方法で優秀な人材を育てた「致道館」という学校や江戸時代のお姫様の嫁入り道具やお雛様がずらりと並ぶ「旧風間家住宅 丙申堂」、鶴岡出身のあらゆる著名人のことを学べる「大寶館」、花手水や可愛らしい御朱印が人気の「花園神社」、全国的にも非常に希少な『即身仏』を目の前で見ることもできるお寺(複数箇所ある)など…もう、見どころがたくさんありすぎるんです!

by red / 鶴岡オリジナルの「てぬぐいスタンプ帳」。市内の重要スポットを巡りながら、てぬぐい製のスタンプ帳に色とりどりのスタンプを集められるアクティビティです。

とにかく鶴岡には、武士に通ずる心意気、そしてまっすぐな真心が土地全体に漂っています。真面目な気質で歴史ロマン大好きな人間にはとても心地よいスポットに違いないと思います。

(「その2」に続く…)