はじめまして。私は物心ついた頃からアトピーなどのアレルギー症状と共に過ごしてきた大人のアレっ子、ayako(あやこ)と申します。大人になるにつれて、花粉や添加物や化学物質、化繊の洋服など、カラダが受け付けないモノが増えてきました。少し前に、今まで疑ってはいたものの未検査であった食物アレルギー検査をし、膨大なアレルゲンが発覚し除去生活を始めました。リハビリ専門職の理学療法士でもあり、ココロとカラダの事を探求する事が大好き。今は自分自身のカラダと真剣に向き合っています。
さて、この時期アレルギーっ子として気になるのは『秋の花粉』。9月に入り、急に鼻がむずむずしたり肌荒れを起こしている方、いらっしゃるかもしれません…。今回はそんな秋の花粉についてのご紹介と注意点、私自身の体験などをお話いたします。
秋の花粉って?
花粉症というと春のイメージが強いですが、秋の花粉もなかなか辛いですよね…。花粉症患者のうち約15%が秋に症状を訴え、またスギ花粉症がある人は秋の花粉症も発症しやすくなるとも言われているんです。
秋の花粉症の主な原因はブタクサ、ヨモギ、カナムグラ、キク、ススキといった“草の花粉”です。春の木の花粉ほど、遠くまでは飛びませんが、住宅地など身近な場所で見かける植物なので触れる機会は多くなります。
花粉が飛ぶ期間は関東では長く、12月頃まで飛散することがあるようです。また春のスギ花粉の場合は花粉の粒子が大きく、鼻粘膜にたまりやすいため、鼻水やくしゃみが主な症状になりますが、秋のブタクサ花粉は粒子が小さく、気管まで入りやすいため、喘息のような症状を引き起す場合もあります。
秋は花粉だけではなく、ハウスダストも増える季節です。室内にいても、鼻炎症状が出る方はハウスダストも疑いましょう。
カラダに合わない食べ物は花粉症のせい?
◼️口腔アレルギー症候群と花粉食物アレルギー症候群
特定の野菜や果物を食べた後15分以内に、【唇や口の中に痒み、ピリピリ感、イガイガ感、腫れ】がでる事があれば【口腔アレルギー症候群(OAS)】かもしれません。また、花粉症の原因物質と似た「タンパク抗原」が含まれている食物にも「交差反応」が起こり、アレルギー反応が出てしまう事があります。これを【花粉食物アレルギー症候群(PFAS)】と言い、花粉症患者の10~20%あると言われているんですよ。
重度の場合は、【下痢や腹痛、じんましん、息苦しさ、咳】などの症状が出ることもあります。口腔内だけではなく、全身の症状を併発してアナフィラキシーを起こす疾患である事は覚えておきましょう。また、【ラテックスフルーツ症候群(LFS)】のように、花粉と関連のないOASもあります。
◼️ちょっと込み入った話にはなりますが…
原因となるタンパク抗原は植物の生存に重要な物質である事が多く、進化の過程で多くの植物に共通して遺伝子が保存されているため、幅広い植物間で「交差反応」を誘発します。そのため、いったん発症すると次々と様々な食物に対するアレルギー症状を起こしてしまうのです。
(マルチなアレルギー持ちにとっては、「まだ食べられない物があるのか~!」と不安になりますが…) その中でもウリ科とバラ科が多いので、どの果物や野菜がどの科類に属するのかを把握しておきましょう。特定原材料に含まれない物にもアンテナを張っておかなくてはいけないのです。
◼️花粉によって特性が違っているので調理方法は要注意
花粉食物アレルギー症候群(PFAS)を起こすタンパク抗原の多くは熱に弱いため、生で食べると症状が出やすく、加熱することで食べられる場合が多いです。しかし、大豆(ハンノキ・シラカバの花粉症に関連)に含まれるタンパク抗原は耐熱性が強く、30分以上の加熱を必要とします。豆腐や豆乳は加工時に30分以上の加熱はしていないので、そのまま摂取するのは要注意です!!
◼️ちなみに…私の症状について
花粉症のアレルギー検査などを内科や皮膚科で受けられる方が多いと思いますが、私が2年ほど前に受けた時はシラカンバやスギ、ヒノキは飛び抜けた数値が出ました。しかし、食物アレルギーの関連については特に聞かず…。その後、食物アレルギーであることも判明してからこの交差反応について知りました。交差反応については、時々テレビ番組の特集などで取り上げられることはあるものの、まだまだ世間的には広く知られていないことかもしれません。
現在の私の症状ですが、いわゆる花粉症の主な症状であるくしゃみや鼻水はごく軽度ではある一方で、食物アレルギーには強く反応が出ています。しかし思い返してみれば、子供の頃から食後に喉の奥が痒くなり舌でモゾモゾ掻いてみたり、うがいをしてみたり…という対処をした日々がありました。食物アレルギーはもちろん、花粉の影響という可能性を考えるには至りもしませんでした。自分の中ではよくある症状でしたので、わざわざ親にも話をしていなかったように記憶しています。
なお、私は幼少期からアトピーではありましたが、大人になって正式に検査をしたことで、マルチな食物アレルギーによるものだったと、やっと判明しました。「今まで、食べて気付かなかったの?」と友人に指摘され初めて意識したのですが、痒みや痛みが日常的で“我慢”が当たり前過ぎて、その異常さや違和感に対する意識がとても低かったのです。
参考:花粉症に関連する食物アレルギーは以下
口に入れない物にも注意して!
食べ物以外にも注意をしておくべきものがあります。それはスキンケア商品や、化粧品のように肌に付けるものです。最近は環境にも配慮された『オーガニック』や『ナチュラル』な素材の商品も増えていますが、その一方で、植物や果物を原料に使用しているものも増えているのが現状です。
例えば、秋の植物でいうと「ヨモギ」の葉の成分に注意をしておきたいです。確かに、ヨモギの葉には抗炎症や抗アレルギー作用が期待できる成分が含まれており、アトピー性皮膚炎の人には良いと言われています。食物アレルギーとアトピーを合併して発症している方は多いかと思われますが、もしあなたがヨモギにアレルギーがあるのならば、肌に使用するものだとしても、自分が口にすると危険な果物類の成分や花粉症のある成分が入っている商品は使用しない、もしくはパッチテストを行ってから使用しましょう。
ちなみに、私はヨモギエキスの入ったローションで、反応したことがあるのですが、その他以前より愛用していた保湿剤で痒みが出てしまうようになった経験があります。その保湿剤には成分としてアーモンドオイルが入っていたのでした…。実は後に行った血液検査でナッツのアレルギーが判明し、アーモンドオイルによるアレルギー症状が起きていたのだと分かりました。
また、別の日には、両まぶたが腫れ上がってしまっていたことも。この原因は前日の夜に枕元に振りかけた「ピローミスト(ヒノキ成分入り)」だったのです。寝ているうちに枕に顔面を付けており、そこから経皮吸収してアレルギー反応を起こしてしまったようでした。朝起きた時から目元が腫れてしまっていてびっくりしたのはもちろん、体もだるく抗ヒスタミン薬を内服するほどでした…。両まぶたの腫れが引くまで時間が掛かりましたが、当時は時勢の影響で幸い(?)フェイスシールドを着用しての仕事をしていましたので、普通に働くことができました。
最近では皮膚や粘膜を通してアレルゲンに触れること(経皮感作)から先に食物アレルギーが進行する、という報告もありますので、ぜひ気をつけていただきたいところです。
気持ちのよい秋を過ごすために
いかがでしたか?今回は秋の花粉についてのご紹介と注意点、私自身の体験などをお話しました。乾燥が気になってくるこれからの季節、秋の花粉と併せて”お肌に使用しているもの”も見直してみてはいかがでしょうか?先ほど出てきたヨモギも日本のハーブとして、相性の良い方にとっては”よもぎ風呂”は血の巡りも促してくれ、肌を潤してくれますし、よもぎ茶もアトピーの方には効果あると言われているので個人的にはオススメです。くすぶっている症状が軽減するヒントにもなるかもしれませんね。
参考文献:耳鼻免疫アレルギー(JJIAO)38(2): 43―49, 2020「花粉・食物アレルギー症候群の現状と展望」大澤 陽子 福井赤十字病院耳鼻咽喉科
・ずっと疑いはありつつも、大人になり検査をしてマルチな食物アレルギーが発覚。小麦や白米を含む穀物類、大豆・ナッツ類・卵白・乳などなど除去中。花粉症による食物アレルギーやラテックスアレルギーもあり。
・幼少期からアトピーで30年以上ステロイドを服用。30代半ばに脱ステロイドを始め、幾度のリバウンド反応を乗り越え概ね改善。
・15年以上、リハビリ・在宅医療現場での勤務経験があり、現在はアロマやハーブなど自然療法も専門的に学び実践中。これらの経験や学びも、アレっこやアレッこ家族のお役に立てればと思います。