こんにちは。大人のマルチアレルギーっ子のayakoです。長年、理学療法士として働いており、自他ともの不調に向き合ってきて、ココロとカラダを探求することが大好き。今は、植物療法士の卵として勉強を続けています。
まだまだ寒い季節ですが、そろそろ気になってくるのが『春の花粉』ですね。今回は、植物療法−アロマやハーブなど、植物のチカラを借りて行う、オススメの花粉症対策をご紹介します。
春の花粉に関する食物アレルギー
以前、こちらの体験談で秋の花粉の時期に「花粉症と食物アレルギーのカンケイ」というテーマで「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」ご紹介しました(そちらの記事もぜひご覧下さい)。
今回はまず春の花粉と関係ある食物についてお話します。
春の代表的な花粉と言えば【スギ(2~4月)・ヒノキ(3~5月)・ハンノキ(1~4月)・シラカバ(4~6月)】ですね。こちらの表には、PFASを起こしやすい野菜や果物が挙げられています。主にバラ科、セリ科、ナス科、マメ科の食物が春の花粉に関連があるようです。
花粉症の方が全員PFASの症状が出るわけではないですが、この中の物を食べて「口が痒くなる、喉がイガイガする、口周りにブツブツができる」などの症状が出た場合は、PFASを疑っても良いかもしれません。
植物療法(フィトテラピー)とは
日本ではまだあまり聞き慣れない言葉ではあると思いますが、植物療法を簡単に説明すると「植物のもつ薬理作用で体に備わった自然治癒力を高め、病気やケガを癒やす療法」です。アロマやハーブティーなどで、知らずのうちに取り入れている方もいらっしゃるかもしれません。また、日本においては「漢方や昔からのおばあちゃんの知恵、冬至に入るゆず湯、味噌など発酵食品」も植物療法のひとつと言えます。そう考えると、少し身近に感じられませんか?
植物療法は何か不調が起きたときにも利用できますし、予防的に取り入れることがオススメです。植物療法の奥深さについてはお話しすると長くなってしまうので…今回は花粉症対策における植物療法を幾つかご紹介します。
花粉の季節の前に飲んでおきたいハーブティー
植物療法を気軽に取り入れやすいのはハーブティー。以下に挙げたものはお住まいの地域によって違うとは思いますが、割とお店で手に取りやすいハーブだと思います。
【花粉症の症状が出る前から摂っておきたいハーブ】
- エキナセア
- ジャーマンカモミール
【症状が出たらケアに使用したいハーブ】
- エルダーフラワー
- ジャーマンカモミール
- ネトル
- ペパーミント
- アイブライト
[※エキナセア、ジャーマンカモミールはキク科アレルギーのある方は注意]
ペパーミントは、喉の痒みがある時に飲むとスッキリしますよ。最近は、カフェでも提供しているところが増えていますね。普段の飲み物をハーブティーに変えるのも良いですし、出来れば空腹時に摂ると体内に植物の有効な成分を吸収しやすいとされています。
なお、ハーブは1種類を飲むよりも、数種類をブレンドして組み合わせた方が、より効果があると言われています。好きな味や香りのハーブティーにこの中のハーブを1:1で混ぜても良いですね。オススメは【エルダーフラワー+ネトルorアイブライト】【ジャーマンカモミール+ネトル+ペパーミント】をそれぞれ同量ずつのブレンドです。
ちなみに…ハーブティーを淹れる時のワンポイント
ティーバックで手軽に取り入れられるのも良いですが、余裕があるときは、ポットに茶葉(目安はお湯200mlに対しティースプーン2,3杯)を入れ、お湯を注ぐときに茶葉が泳ぐようにすると、より成分を浸出させることができます。ティーバッグしか無い場合は中身を出して使用するとよいですね。必ず蓋をして10〜15分おいてから頂きましょう。
子どもに飲ませるときの注意点
子どもにハーブティーを飲ませる場合は、一般的に「大人が飲む量の半量」が推奨される傾向があります。濃さを調整したり、飲みやすいようにハチミツを加えるのもひとつの方法です。また、出来るだけ無添加・オーガニックの製品を選べると良いですね。
なお、ハーブは薬と違い副作用が無いと言われていますが、アレルギーや体質、体調によっては合わない場合や、植物によっては内服薬の薬効を下げてしまう、反対に効き過ぎてしまう事があるとも言われています。もちろん全ての内服薬が該当するわけではありません。ですが、食物と同様、“同じものを長期間”ということは望ましくない、”何事も適量で”という考え方です。
アロマの香りで少しで苦痛を和らげよう
花粉の時期は『マスクをしてできるだけ花粉に触れない、吸わないようにする』こともひとつの対策です。それは、もう皆さんが実践されていることだとは思うのですが、マスクを着けるときにもう一手間で、心地よく過ごす方法をご紹介します。
ティッシュにアロマオイルを垂らし、皮膚に付かないように折りたたんで(皮膚刺激が強いため直に付かないように注意)、マスクと口の間に挟みます。
この状態で鼻から深呼吸をすると鼻が通りやすくなりますし、鼻が詰まって苦しい時にもオススメです。取り入れたいアロマオイルはこちら。
- ユーカリ(喘息患者にはごく稀に発作を誘発する場合があります)
- ペパーミント
私は花粉症の症状ではなく、アレルギーの発作なのかは曖昧ですが「何となく喉が狭くなってきたな」という息苦しい時にもこの香りを深く嗅ぐと楽になることがあります。「どうしよう!誤食したかも!」と、ドキドキしているときにも頼っています。
ちなみに、アロマオイルが手に入れにくい・抵抗があるという方は、日本で昔から広まっている「ハッカ油」を試してみるのも良いかもしれませんね。スプレータイプもあるようです。
予防や薬を使用する前の選択肢のひとつに植物療法を
今回は、花粉症対策に役立つ植物療法についてお伝えしました。
アトピーなど肌のバリアが弱くなっている場合に、そこから吸収してアレルギーマーチ(ひとつのアレルギー疾患を契機に誘導される一連のアレルギー疾患軍を意味する)につながる、という事も最近は研究で報告されています。お肌のケアにも植物療法=植物のチカラを利用する方法もあります。また日々の不安やメンタルの部分にも植物のチカラは助けになってくれることもあります。アレルギーっ子は、通年で薬を服用している方が多いと思いますが、副作用のない自然療法もうまく生活に取り入れながら付き合っていきたいですね。
【参考文献】
森田敦子他:AMPPフランス植物療法普及医学協会認定校テキスト
木村光明:乳幼児期の環境アレルゲン対策とアレルギーマーチ.日本小児アレルギー学会誌17,50-57,2003
大塚篤司他:バリア機能と皮膚免疫.アレルギー 64,1189-1198,2015
・ずっと疑いはありつつも、大人になり検査をしてマルチな食物アレルギーが発覚。小麦や白米を含む穀物類、大豆・ナッツ類・卵白・乳などなど除去中。花粉症による食物アレルギーやラテックスアレルギーもあり。
・幼少期からアトピーで30年以上ステロイドを服用。30代半ばに脱ステロイドを始め、幾度のリバウンド反応を乗り越え概ね改善。
・15年以上、リハビリ・在宅医療現場での勤務経験があり、現在はアロマやハーブなど自然療法も専門的に学び実践中。これらの経験や学びも、アレっこやアレッこ家族のお役に立てればと思います。