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白米アレルギーの救世主  

こんにちは。大人のマルチアレルギーっ子のayakoです。長年、理学療法士として働いており、自他ともの不調に向き合ってきて、ココロとカラダを探求することが大好き。今は、植物療法士の卵として勉強を続けています。

今回は、あまり知られてはいないであろう「白米アレルギー」についてお話します。

白米アレルギー

よく聞かれる食物アレルギーの原因、日本の3大アレルギーと言えば「鶏卵・牛乳・小麦」ですね。最近は木の実も増加傾向で、年代によっても割合は異なります。

小麦アレルギーの方以外でも、最近は健康や腸活のためにグルテンフリーを選択して、米飯や米粉製品を好んで食べている方もいますし、グルテンフリーの飲食店も以前よりも見かけるようになりました。その代替食品によく選ばれる「白米」がアレルゲンとなる場合もあるのです。それが「白米アレルギー」です。

お米の消費量が減っている、ということが社会問題になっていますが、日本人としてはお米は無くてはならないもの!という人は多いのではないでしょうか。今は多様な品種のお米があり、特に「いかに粘りがあり、モチモチしているか」ということが美味しさや人気と比例する、というような傾向がありますよね。

白米アレルギーのアレルゲンは、そのモチモチの粘りと糖質の成分とも関係があるようです。そのため、米粉はもちろん、白米以外の玄米やもち米を使用した食品も基本的には控えた方が良い、という事になります。

白米アレルギーの症状

白米アレルギーの症状は、個人差があるものの、アトピーなど皮膚炎症状が報告されています。まだまだ今の医学でも分からない部分が多いようです。腸内環境がアレルギーに関係する、ということは最近よく聞きますよね。

ちょっと難しい話になりますが…いくつかの品種のお米によって腸内細菌叢が変化するか?という研究(動物実験ですが)があります。これから紹介する”とある低アレルゲン米”の場合は、アレルゲン性下痢症が起こりにくいという結果があったようです。これは、結果的には腸の腸管粘膜バリアが強化され、腸から血液中へのアレルゲンの取り込みが少ないからではないか、という報告されています。

また、以下に紹介する「ゆきひかり」には、アレルギー反応を抑制する効果が見られたとの研究もあり、白米に限らず他の食物アレルギーの効果も期待できる、と言われています。

出逢って私の食生活が大きく変わったお米「ゆきひかり」

私が、小麦やオーツなどの穀物のアレルギーが分かり、炭水化物はお米を食べるしかない、と思っていたところ白米アレルギーも発覚し、一時本当に食事に困り、お腹を満たす事が大変な時期がありました(この頃はあらゆるものを除去しておりましたが、その結果、アトピーは改善し、下痢などの消化器症状も軽減していました。しかしながら、とにかく体力が落ち、気力もありませんでした)。

そこでまずは、パラパラしていることが特徴のジャスミンライスや、インド料理などで使われるバスマティライスを食べてみました。これらは、ややお値段が高く付くことや無農薬のものではないという部分が気になってはいましたし、正直症状が出ないのかどうか自分でもよく分かりませんでした。

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※(編集部追記)ジャスミンライスはジャスミンのような華やかな香りのついたお米。バスマティライスはナッツのような香りがついたお米です。なお、このような香り付きのお米は欧米ではシェアが多く、スーパーマーケットのお米コーナーには様々なパッケージが並んでいます。ちなみにフランスでは、トリュフの香りのついたお米も販売されています。

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より私の体調に合うお米はないものか、とさらに調べを進めたところ、北海道で栽培されている「ゆきひかり」という低アレルゲンの品種を知りました。

 

by ayako

「ゆきひかり」は北海道で昔から育てられており、先祖代々「うるち米×うるち米」の掛け合わせが行われたことで生まれた珍しい品種です(ちなみにコシヒカリやあきたこまちなど粘りがあって人気の品種は「うるち米×もち米」)。粘りと糖質の成分であるアミロペクチンが少ないことが特徴

もちもち感が少ない、という品種ということでしたが、私はお鍋で炊いており美味しくいただけています。おにぎりも握れますし、一般的な白米と同じように使うことができます。

by ayako /
ゆきひかりのパックごはん。ふっくらしてます

北海道でしか栽培されておらず、購入先も限られますが、ネットで北海道のお米屋さんから購入しています。無農薬や化学肥料低減米など選択肢があるお店もあります。またパックごはん(電子レンジで温めるもの)も出ており、賞味期限は長期とは言えませんが、防災や備蓄用の食料としても常備しておきたいですね。ゆきひかりを今後もずっと食べられるように、作られる農家さんが増えると良いなぁ、と思いつつ、応援する気持ちも含みながら食べています。

外食の困難さ

小麦アレルギーの場合は、外食はお寿司など和食やグルテンフリーのものを選ぶことが多いですよね。小麦+白米アレルギーがあると、その選択肢もないのでなかなか困ります。私はお寿司が大好きなので、いつかまたお寿司やさんでお寿司を食べたい!と思っています。

今後に期待したいこと

小児の白米アレルギーは成長につれて改善する場合が多いようです。成人の食物アレルギーは、正直なところ、相談できるお医者さんも少ないですし、症例もまだ少ないこともあるようで、今後患者が増えるのかどうかは私には分かりません。でも、白米もアレルギーになることがあるんだ、ということを知っている方が増えると良いなと思います。

私自身も当事者になり初めて知りましたし、まだ成人の白米アレルギーの方に出逢ったことはありません。

また私の経験上、アトピーや一般的なアレルギーを診察するお医者さんにも、なかなか知られていないことだと感じています。ただ「除去」を指示するのではなく、ひとつの選択肢として、食べられる可能性として提案してもらえるとありがたいですし、これを読んで少しでも食生活がプラスになる方がいらっしゃれば嬉しいですね。

※アトピー性皮膚炎がこのゆきひかりで改善する場合は、体に合っていると言えると思います。また、症状の原因が白米そのものでは無くて、農薬など化学物質に反応している可能性もあります。白米アレルギーが陽性となっている場合は低アレルゲン米に代えても改善はしない、と発信されているものもありました。まだまだ報告されている症例が少ないこともあるのかもしれませんが、お試しをする場合は担当医に相談or自己責任でお願い致します。

参考文献:

  • 北海道米「ゆきひかり」の摂取によるアレルギー抑制作用に関する研究.小笠原達:生命科学院
  • 北海道大学大学院生命科学院消化管生理学研究室HP http://lab.agr.hokudai.ac.jp/fbc/sonoyama/allergy_J.htm
  • 北海道新聞2009年9月4日付の記事

※(編集部追記)編集部Rの主治医(成人FPIES専門医)によると、「白米アレルギー」を臨床の場で判定するには、半年以上、米の完全除去をする必要があり、かつ、また負荷試験での症状確認までにも時間を要するとのこと。忙しい成人について「白米アレルギー」を判定するのは難しいのが現状…とのことです。